ロシャス(ROCHAS)の2022年春夏コレクションが発表された。アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell'Acqua)の後任のクリエイティブディレクターとして任命されたシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)が手掛けるファーストシーズンとなる。
シャルル・ドゥ・ヴィルモランは、2020年に自身のブランドを立ち上げたばかりの若き気鋭デザイナー。デビューコレクションとなる今シーズンは、フリルやティアードなどロシャスらしいフェミニンな要素を踏襲しつつ、意外性のある素材やデザインを取り入れることで、メゾンが紡いできた歴史にモダンな風を吹き込んだ。
たとえば、大胆なオーガンジーフリルは、カジュアルなロングスリーブTシャツに配してフレッシュな印象に。ボトムスにはストレートシルエットのレザースカートを合わせ、モードなムードも纏わせた。また、ボリューミーなティアードドレスは、光沢感のあるプリーツ素材を用いることで、エレガントでは終わらないエッジィな佇まいに仕上げている。
見る者をハッとさせる力強い線で描かれたイラストが多用されたのも今季の特徴だ。百合や花瓶、テーブルなどを捉えた静物画を赤・青・黄といった鮮やかな原色で表現し、エネルギッシュなムードを加速させた。
そんな溌剌としたコレクションをより一層盛り上げるのは、ドローコードで作るギャザーやボタンを外すことで生み出すドレープといった立体的なディテール。男性モデルが着用したコットンドレスは、ショルダー部分のボタンを外し、裾に配したドローコートを絞ることでリズミカルなアクセントをプラス。炎のようなグラフィックをあしらったホルダーネックドレスは、裾位置のドローコードによってふんわりとしたバルーンシルエットを強調させた。
エキセントリックなコレクションピースに負けないほどインパクトのあるデザインで展開されたシューズにも注目。横に驚くほど拡張されたロングブーツは、波打つオーガンジーフリルによってそのダイナミックさをより一層際立たせて。厚底のレースアップブーツは、燃え上がる炎をそのまま落とし込んだかのようなハードなルックスに仕上げた。