リトルビッグ(LITTLEBIG) 2022-23年秋冬コレクションが、2022年3月16日(水)に渋谷 Q FRONT 屋上にて発表された。今季のキーワードは「ジェネレーション(generation)」と「ユース(youth)」。
デザイナーの馬渡圭太が初めて上京した10代の頃、青年の馬渡の瞳に映る東京の街は、まさに感動と刺激の連続であった。中でも印象に残ったのは、若者のカルチャーが盛んなスポットのひとつ、渋谷のスクランブル交差点。今シーズンは、そんな若かりし頃の東京の思い出を振り返りながら、若者の活気で溢れる“ごちゃごちゃ楽しい渋谷”のムードをコレクションへと投影した。
舞台となるのは、もちろんスクランブル交差点が目の前に広がる渋谷。月明りに照らされた屋上のランウェイには、スクールガールやヤンキー風、原宿・渋谷で実際に働くスタッフなど、今季のムードにリンクした個性あふれるモデルたちが姿を現した。
今シーズンもジャケットやトラウザーなどクラシカルなアイテムをベースとしつつも、カルチャーの要素を色濃く落とし込んだコレクションを展開するリトルビッグ。今季は渋谷の街にちなんで、ラフに着崩すストリート風に。ボタンを開けて、どこか気だるく纏ったジャケット、街のネオンを連想させるグラフィカルなシャツ、ダボっとしたデニム…そして足元は決まってコンバース(CONVERSE)のスニーカーで、カジュアルダウンさせるのが今季の気分のようだ。
また渋谷のスクールガールを着想源にした、ストライプ柄のピースも今季ならではの特徴だった。オリジナルテキスタイルに力を入れたと語る馬渡だが、とりわけこのストライプ柄生地はイギリスから輸入したというこだわりの素材。カットやフォルムに遊び心を加えながらも、艶やかな光沢を放つジャケットやボトムスには、確かな気品が内包されている。
秋冬に欠かせないアウター群には、だぼっとしたオーバーシルエットのロングコートが目立つ。ストリートライクなチェック柄で仕上げた一着は、しっとりとしたベルベットのラペルや、上品な艶めきを放つライナーを差し込むなど、やはり随所に大人のためのラグジュアリーが隠されている。
そしてそんなロングコートのスタイリングの中には、上裸×トラックパンツを組み合わせた“ファンキー”なルックも。若者らしい荒々しさと、上質な素材、そして遊び心が詰まった“カオス”な組み合わせは、まさに渋谷の空気を具現化したものといってよいのかもしれない。