横須賀美術館では、開館15周年記念 800年遠忌記念特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」を、2022年7月6日(水)から9月4日(日)まで開催する。同展はその後、10月7日(金)から11月27日(日)まで、神奈川県立金沢文庫に巡回する。
平安末期から鎌倉初期にかけて活動した仏師・運慶は、奈良の興福寺や東大寺での造仏でよく知られているが、その一方で鎌倉時代の東国(関東地方)においても、仏教彫刻の展開に関わっている。新政権の鎌倉幕府と交流があった運慶は、北条氏からの信頼を背景に東国で活躍。鎌倉幕府の初代侍所別当・和田義盛の発願による浄楽寺諸像や、横須賀ゆかりの氏族・三浦一族の造仏にも携わった。
「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」展では、運慶と鎌倉幕府、そして三浦一族との関係に着目しつつ、運慶とその工房が手がけたとみられる仏像を中心に、前後する時代の仏像や書跡など約50点の文化財を展示する。
現在、運慶の真作として確実視される像は約30駆とされ、そのうち5駆は、横須賀市芦名の浄楽寺に安置されている。本展では、そのうちの2駆、《毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)》と《不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう)》を展示する。
これら運慶の真作2点ばかりでなく、会場では横須賀市内の貴重な仏像22駆を一堂に集めて紹介。《観音菩薩立像》や《地蔵菩薩立像》など、国指定の重要文化財を4件16駆をはじめ、神奈川県指定の重要文化財1件、横須賀市指定の有形重要文化財では仏像5件、仏画1件を展示するなど、横須賀初の大規模な文化財展示となる。
さらに本展では、貴重な中世の文化財の里帰り展示も。平安時代末から鎌倉時代にかけて、横須賀・三浦半島は、当時の有力氏族・三浦一族の領地であった。現在でも市内には、当時政治的に影響力を持った三浦一族とのゆかりを伝える寺院が多く残っている。会場では、24年ぶりに揃って横須賀に里帰りする《十二神将像》など、 中世横須賀の栄華を物語る貴重な文化財を目にすることができる。
開館15周年記念 800年遠忌記念特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」
会期:2022年7月6日(水)〜9月4日(日)
※8月2日(火)より一部作品は展示替え
会場:横須賀美術館
住所:横須賀市鴨居4-1
開館時間:10:00〜18:00
休館日:8月1日(月)
観覧料:一般 1,000円(800円)、高校生・大学生・65歳以上 800円(640円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生(市内在住または在学に限る)は無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者および付添者1名は無料
■巡回情報
・神奈川県立金沢文庫
会期:2022年10月7日(金)〜11月27日(日)
住所:神奈川県横浜市金沢区金沢町142
【問い合わせ先】
横須賀美術館
TEL:046-845-1211 (代表)