東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)では、静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展III「お雛さま ─岩﨑小彌太邸へようこそ」を、2023年2月18日(土)から3月26日(日)まで開催される。
三菱第四代社長であり、静嘉堂文庫を拡充した人物である岩﨑小彌太(いわさき こやた)。小彌太夫妻の芸術文化への造詣の深さを象徴する作品のひとつに、雛人形を挙げることができる。岩﨑家の雛人形は、小彌太が名工・五世大木平藏に特注した昭和初期の名品であり、1929年(昭和4年)に竣工した小彌太の麻布鳥居坂本邸の客間で披露されている。その背景には、高さ3mにおよぶ川端玉章筆《墨梅図屏風》が飾られていた。
展覧会「お雛さま ─岩﨑小彌太邸へようこそ」では、岩﨑家の雛人形を、初公開となる川端玉章筆《墨梅図屏風》とともに展示。また、小彌太夫妻の日本画の師でもあった前田青邨(まえだ せいそん)が描いた大作なども紹介する。
岩﨑家の雛人形や雛道具は、白くつややかな童子形の名品で、着物や道具には家紋が入るなど、当時の技術の粋を集めた特注品である。これは、京都の人形司・丸平大木人形店の五世大木平藏によるものだ。
本展では、岩﨑家の雛人形一式を、川端玉章筆《墨梅図屏風》を背景に展示することで、鳥居坂本邸で飾られた姿を再現。あわせて、岩﨑家を代表する野々村仁清《色絵 吉野山図茶壺》(重要文化財)をはじめ、《吉野山蒔絵十種香道具》や《曜変天目》(国宝)なども目にすることができる。
鳥居坂本邸の玄関には、日本画の巨匠・前田青邨による衝立があった。会場では、その裏表を分解して額装した《唐獅子》や、ダイニングルームを飾った《蘭陵王》といった青邨の大作を展示するほか、そのほかの調度品も公開する。
静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展III「お雛さま ─岩﨑小彌太邸へようこそ」
会期:2023年2月18日(土)〜3月26日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1階
開館時間:10:00〜17:00(金曜日は18:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日
入館料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円、中学生以下 無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)