帝国ホテル 東京は、1890年に海外からの賓客を迎える「日本の迎賓館」として東京・日比谷に開業した。官公庁やビジネスの中心地、丸の内、日本随一のショッピングエリアである銀座に隣接し、さらに美しい緑に囲まれる日比谷公園や皇居外苑といった都会のオアシスにもほど近い。宿泊だけでなく、誕生日や結婚記念日、ビジネス商談、家族の食事会など様々なシーンで利用されている。
特に、ウエディングでは、式の段取りやプランの提案をするコーディネーターをはじめ、新婦の介添え、サービススタッフ、調理スタッフなど各専門分野のスタッフ特別な日を、より特別に演出する。
1954年にはハリウッドの大女優マリリン・モンローが大リーグのスター選手であるジョー・ディマジオとの新婚旅行で宿泊。滞在中の記者会見で、「夜は何を着て寝るの?」という記者の質問に対して「シャネルの5番」と答えたエピソードは今もなお語り継がれているエピソードだ。そのほか、チャーリー・チャップリン、ヘレンケラーら歴史に名を残す著名人が多く滞在している。
今では広く知られる「バイキング」という食事スタイルは、帝国ホテル 東京から始まった。1957年当時の社長が、北欧の伝統料理である「スモーガスボード」の“好きなものを好きなだけ食べる”スタイルから着目し、日本初のブフェレストランとして「インペリアルバイキング」をスタートした。
さらに、ホテルウエディングが日本で初めて登場したのも帝国ホテル 東京。関東大震災で日比谷大神宮はじめ多くの神社が焼失したことから、帝国ホテル 東京内に神社を設置し、挙式と披露宴を組み合わせた結婚式を提案。婚礼衣装の貸付や美容、写真撮影などを一貫して行う「ホテルウエディング」の原型が考案された。
旧本館「ライト館」は、建築家フランク・ロイド・ライトが手掛け、1923年に完成。老朽化のため、1967年に取り壊されたが、「オールドインペリアルバー」などではライト館の当時の壁面やテラコッタを採用し、その面影を残している。
2021年3月、「内幸町一丁目街区」まちづくり計画の一環として、建て替えを発表。本館は2036年度、タワー棟は2030年度の完成を予定している。