ヨーロッパ最古の王室の王位継承者、アン王女は、公務に縛られ不自由な毎日にうんざりしていた。欧州親善旅行で訪れたローマでの歓迎舞踏会の夜、彼女は宮殿から脱走を図り、夜の街をぶらつき始めるのだった。しかし、主治医に処方された鎮静剤が効きはじめた彼女はベンチに倒れこんでしまう。
そんな彼女をたまたま助けたのは、アメリカ人の新聞記者ジョーだった。アン王女の正体を知り、これは大スクープのチャンスと意気込むジョー。彼は王女と知らないふりをしたままローマのガイド役を買って出るのであった。美しいローマの街で、”真実の口”や”祈りの壁”など観光地をめぐり、はしゃぐアンの姿をジョーの同僚のカメラマン、アービングに撮影させる。そうこうするうち、アンを捜しにきた情報部員との大立ち回りとなるが、間一髪逃れる。そんな中、二人の距離は次第に近づいていくのだった。
映画『ローマの休日』は、ローマの街を舞台に、王女と新聞記者のロマンティックで切ないラブストーリーを描いた名作。珠玉のストーリーは世界中から人気を集め、当時無名の新人女優だったオードリー・ヘプバーンは一躍大スターとなった。ウィリアム・ワイラーが監督を務め、ダルトン・トランボが原案を担当した。アカデミー賞衣装デザイン賞受賞。