京都の教王護国寺(東寺)では、特別拝観「東寺のすべて」を、2023年10月9日(月・祝)から31日(火)まで開催する。
東寺(とうじ)は、京都にある真言宗の総本山の寺院だ。平安京の遷都間もなく、国家鎮護の官立寺院として創建された東寺は、唐で当時の新しい仏教であった密教を学んで帰国した弘法大師空海に託され、弘仁14年(823年)、日本初の密教寺院となった。
東寺が下賜されたのち、空海は、講堂や五重塔をはじめ、伽藍の造営に精力的に取り組んでいる。講堂には、密教の主尊である大日如来(だいにちにょらい)を中心に21軀の仏像を安置した「立体曼荼羅」によって、浄土の世界が視覚的に表現されることになった。東寺の伽藍は、のちに台風や落雷、火災などの被害を受けたものの、その都度、信仰に篤い人びとに支えられて復興を遂げ、現在に至っている。
特別拝観「東寺のすべて」は、真言宗立教開宗1200年を機に開催されるもの。講堂(重要文化財)、五重塔や金堂(ともに国宝)など、それぞれに再建された時代を代表する建築を楽しめるばかりでなく、講堂の立体曼荼羅、金堂の薬師三尊や十二神将など、優れた彫刻の数々も目にすることができる。
また、宝物館では、東寺に伝わる第一級の寺宝を展示。空海が最澄に宛てた手紙《弘法大師尺牘(風信帖)》や、現存最古の彩色曼荼羅であり、平安仏画の最高傑作として名高い《両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)》(ともに国宝)を特別公開するほか、修理が完成した宝物や、近年重要文化財に指定された宝物を紹介する。
さらに、写真家・土門拳が撮影した東寺の写真や、アーティスト・小松美羽が東寺食堂で制作した《ネクストマンダラ─大調和》の展観も行う。
真言宗立教開宗1200年記念 特別拝観「東寺のすべて」
会期:2023年10月9日(月・祝)~31日(火)
会場:真言宗総本山 教王護国寺(東寺)
住所:京都府京都市南区九条町1
拝観時間:9:00~17:00(拝観受付は16:00まで)
拝観料:一般 2,000円(1,800円)、高校生 1,500円(1,300円)、中学生以下 1,000円(800円)
※( )内は20人以上の団体料金
※スマートフォンで聴ける無料音声ガイド付き
【問い合わせ先】
東寺
TEL:075-691-3325