映画『ゴーストワールド』が、2023年11月23日(木・祝)に22年ぶりに全国で公開される。ゾーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンが主演。
2001年に公開された映画『ゴーストワールド』は、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時にしては新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した作品。アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズによるグラフィック・ノベル『ゴーストワールド』が原作だ。
ロサンゼルスで撮影された本作は、ショッピングモールやファーストフード・チェーンの進出により、個性を失いつつある1990年代のアメリカの名もなき町が舞台。世界に馴染めずに、いつも周囲を馬鹿にして過ごしているシニカルな2人のティーンエイジャーが大人になることに直面し、自分の居場所を見つけようとする倦怠感に満ちた数か月を描いている。
主演を務めたのは、『アメリカン・ビューティー』での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、『ロスト・イン・トランスレーション』で脚光を浴び、近年は『アベンジャーズ』シリーズや『アステロイド・シティ』などに出演し、今やハリウッドを代表するスター俳優となったスカーレット・ヨハンソン。
撮影当時、バーチは17歳、ヨハンソンは15歳で、すぐに意気投合したという2人の等身大の瑞々しい演技を収めた貴重なフィルムとなっている。
そのほか、⼀⽬⾒たら忘れられないクセのあるルックスで多くのファンを持つ実⼒派バイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、『ゴールデンボーイ』や『BULLY ブリー』などの作品で知られ、2008年に急逝したブラッド・レンフロらも参加している。
主人公・イーニド…ソーラ・バーチ
自分のセンスに自信を持ちながらも、コミュ障気味な少女。レコードマニアのシーモアに興味を抱き、奇妙な友情を築いていく。
主人公・レベッカ…スカーレット・ヨハンソン
イーニドの幼馴染で親友。地元のコーヒーショップで働き始め、自立を図る。
シーモア…スティーブ・ブシェミ
イーニドとレベッカの退屈しのぎに呼び出されたレコード好きの男。徐々にイーニドと仲を深めていく。
監督は、ドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフが担当。ツワイゴフは、ハリウッドのティーン映画のようなありがちな物語でもなければ、気取った自己満足的なアート映画でもなく、エンターテインメントであると同時に考えさせられる映画を作りたかったという。
また脚本は、ツワイゴフと共に原作者であるダニエル・クロウズが共同で執筆し、2002年のアカデミー脚⾊賞をはじめ、多くの賞にノミネートされ高い評価を得た。近年では、ドラマ「ユーフォリア」シリーズなどの作品にも影響を与え、「時代を先取りしていた」としてさらなる再評価が進み、若い世代にも愛される作品となった。
そんな高く評価され続けている『ゴーストワールド』は、長らく入手困難だった原作コミック日本版の第4刷が2023年5月に発売、さらには廃盤となっていたDVDと初のブルーレイディスクも7月28日(金)より発売予定。また11月には22年ぶりに劇場公開されるため、今なお色褪せないカミング・オブ・エイジの傑作を劇場で観れる機会となっている。
舞台は1990年代アメリカ都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニドとレベッカは、高校を卒業したものの、進路も決めずにあてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。
ある日、2人はモテないレコードマニアの中年男・シーモアに出会う。ダサくても独自の世界観を持つシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の“理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方のレベッカは、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとする。同居生活を計画していた2人の間には次第に距離が生まれてしまい……。
【作品詳細】
映画『ゴーストワールド』
公開日:2023年11月23日(木・祝) Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国ロードショー
監督:テリー・ツワイゴフ
脚本:テリー・ツワイゴフ、ダニエル・クロウズ
出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ
原作:ダニエル・クロウズ『ゴーストワールド』(プレスポップ刊)
撮影:アフォンソ・ビアト
製作:ジョン・マルコヴィッチ
編集:キャロル・クラヴェッツ=エイカニアン、マイケル・R・ミラー
音楽:デヴィッド・キティ
衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
プロダクション・デザイン:エドワード・T・マカヴォイ
配給・宣伝:サンリスフィルム
字幕翻訳:石田泰子
原題:GHOST WORLD