セブンバイセブン(SEVEN BY SEVEN)は、2024年春夏コレクションを2023年9月1日(金)に、国立競技場 大型車駐車場にて発表した。
着想源となっているのは、セブンバイセブンのルーツであるサンフランシスコ。セブン バイ セブンをスタートさせてからもうすぐ10年を迎えようとするタイミングにふれ、初心を見つめ直したというデザイナーの川上淳也は、サンフランシスコならではの、ユーモアがあり個の際立つスタイルに改めてフォーカスした。
"アメカジ"や"ヴィンテージ"など、既存のファッションの中で洗練を目指すのではなく、むしろ既存の枠組みの外から、まだ誰も気が付いていない新たな価値を拾い上げること。そういった形で新しさの追求を続け、一貫して自由に個性を楽しめる装いを提案してきた、セブンバイセブンのアイデンティティが今季のコレクションには色濃く反映されている。
デザイナーの川上が表現する“自由さ”は、自ら産地をまわり、技術や加工を見てセレクトするという素材選びに顕著に表れていた。例えばアイキャッチなのは、様々な形を象る“折り紙”を貼り付けたスカジャンだ。折り紙の装飾は、アメリカのエアメールや梱包に使われる、水に強くタフな紙素材を採用。紙という素材感を生かしたい、と考えたことから折り紙を装飾に使うことを思いついたという。
また、インドで見つけたマクラメ編みに着想を得た、レザーのメッシュアイテムも目を引く。メッシュ状に仕上げたレザーはオーバーシルエットの5分袖トップスやコートなどに用いられており、人の手で紐を編み上げていく様子が思い浮かぶような、繊細な透け感と手仕事の温かみを感じる質感が印象的だ。また、様々な色・形のレザーをつなぎ合わせたパッチワークレザーのミニスカートや、ステッチ、フリンジによりデコラティブに仕上げたレザーバッグなど、クラフト感あふれるレザーアイテムが散見された。
肩の力を抜いたリラクシングなムードをまといつつ、優雅さを感じる佇まいも魅力。しなやかなマドラスチェックのシャツやパンツは、穏やかな光沢と優しい色味によって気負わない上品さを描き出している。シースルーのブラックシャツは生地をたっぷりと用いてふんわりとしたドレープを描き、細かなシワ感のあるチェック柄のセットアップは落ち着いた色味と、程よく体になじむシルエットによって、自然体ながらも凛とした装いを見せた。
スタイリングにおいても、カラフルなレトロプリントのTシャツにブラックのパンツを合わせたルックや、膝上丈のショートパンツにさらりと白シャツを合わせたコーディネート、パジャマのように緩やかなシャツとパンツのセットアップなど、気取らないシンプルさを感じる装いが目立った。軽快で飾らない佇まいであっても、プリントのタッチや生地の表情、手の込んだディテールなど、さりげない“ひねり”が仕掛けられており、つい目を留めてしまうような遊び心が随所に散りばめられている。