家具メーカーであるハーマンミラー社のデザインディレクターを長年務め、イームズ夫妻やイサム・ノグチ、アレキサンダー・ジラードらの才能を見出したことでも知られるジョージ・ネルソン。いわば、20世紀のアメリカのデザインの立役者。2014年7月15日(火)から9月18日(木)まで目黒区美術館にて開催される「ジョージ・ネルソン展―建築家、ライター、デザイナー、教育者」は、そんな彼の魅力がじっくりと味わえる展覧会だ。
「アメリカ博覧会」会場でのジョージ・ネルソン モスクワ、1959
George Nelson, American National Exhibition, Moscow, 1959
Photo: Vitra Design Museum Archiv
会場に足を踏み入れると、多くの作品が並ぶ空間が広がる。展示されるのは、ヴィトラ・デザイン・ミュージアム所蔵のジョージ・ネルソン関連コレクションを中心とした約300点のコレクション。初期の製造品やプロトタイプを含むヴィンテージの家具、建築模型グラフィックデザイン、そしてネルソン自身がプロデュースした映像の数々。「マシュマロ・ソファ」や「ココナッツ・チェア」、「バブル・ランプ 」などの名作からは、彼の現代的なデザイン哲学や仕事へ向き合う姿勢が垣間見える。
また、インテリアデザイナーとしてだけでなく、ライター、編集者、講演者、展覽会デザイナーとしても手腕をふるったというジョージ・ネルソン。そんな彼の素顔に迫る展示にも注目だ。イェール大学で建築の学位をとり、ローマのアメリカン・アカデミーで学んだ後、ニュー ヨークで建築事務所を設立。建築雑誌の編集長を務めたほか、デザインの本質を語る多くの著書も刊行してきたという彼のあまり知られていない部分が、多くの資料を通して明らかになる。
左)CSS 1959 Comprehensive Storage System, 1959 Photo: Vitra Design Museum Archiv
右)デイベッド 1950 Daybed, 1950 Photo: Vitra Design Museum Archiv
本展は、ドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアム(Vitra Design Museumによる国際巡回展のアジア巡回の一環として、オーストラリア、香港に続き開催されるもの。広く名が知られながら、これまで本格的に紹介されたことのなかったジョージ・ネルソン。その彼の初となる大規模な展覧会は必見だ。
【開催情報】
ジョージ・ネルソン展―建築家、ライター、デザイナー、教育者
George Nelson ―Achitect, Writer, Designer, Teacher
期間:2014年7月15日(火)〜9月18日(木)
時間:19:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜休館 ※ただし7 月21日(海の日)、9月15日(敬老の日)は開館で翌日が休館。
料金:一般 1000(800)円、大高生・65 歳以上 800(600)円、小中生無料
※( )内は 20名以上の団体料金、障がいのある人は半額、付添者1名無料。
展示構成:
1.The House ― 住居 家具、プロダクトなど 約90点
2.Office ― オフィス 約40点
3.Graphics and Clocks ― 印刷物と時計 パンフレット、ポスターと時計 約70点
4.Exhibition ― 展覧会計画 約30点
5.Bubble Lamps ― バブル・ランプ 10点
6.Education ― 教育 約20点
7.Architecture ― 建築 約10点
その他、ハーマンミラー社関連資料、日本関係資料を予定 映像、写真、資料類などを含めた総出品点数 約300点