展覧会「藍のものがたり」が、福岡の久留米市美術館にて、2024年7月20日(土)から10月14日(月・祝)まで開催される。
さまざまな染織技法と結びつき、衣服などの染料として用いられるなど、古くから日本で親しまれてきた藍。伝統的な藍の染料作りや染色には時間と労力・技術を要するため、藍染めはかつて限られた人々の衣服に用いられるものであった。しかし、江戸時代中期頃に木綿が庶民の衣服の素材として広まると、「藍染めの木綿」が浸透。こうして、日本各地でさまざまな藍染め文化が発展してゆくことになったのだ。
展覧会「藍のものがたり」では、時代とともに変化してゆく藍染めの文化を紹介。江戸時代の上層階級の衣服から、さまざまな技法を凝らした浴衣、藍と白に染め分けた糸で多様な文様を織りなす久留米絣、そして現代作家やデザイナーの試みまで、藍染めの展開をたどってゆく。
藍染めが人々のあいだに浸透していったのが、江戸時代中期頃以降のこと。染めやすい素材である木綿が全国に流通するようになったため、麻に替わって木綿が人々の生活に普及していったのだ。濃淡のある藍と白の絣糸で織りなす「久留米絣」は、当時、藍の産地であった筑後で生まれたものである。本展では、伝統を踏まえつつ今日もなお発展を続ける、久留米絣の作品を目にすることができる。
日本の染織において「藍染めの木綿」が一般化するうえで重要な役割を担ったのが、浴衣である。会場では、精緻な型染めを施す「長板中形(ながいたちゅうがた)」や、染料を注いで染める「注染(ちゅうせん)」といった技法にも注目しつつ、藍染めの浴衣を展示する。
現代の作家やデザイナーは、藍染めという日本の伝統的な染織技術をしばしば製作に取り入れてきた。本展では、ドゥーブルメゾン(DOUBLE MAISON)やスズサン(suzusan)などによる伝統と革新を兼ね備えた試みを紹介するほか、2020年春夏・秋冬シーズンに藍染めに着目したコレクションを発表したまとふ(matohu)など、伝統に立ち返って製作を行う作家にも光をあてる。
展覧会「藍のものがたり」
会期:2024年7月20日(土)〜10月14日(月・祝) 会期中に展示替えあり
[1期 7月20日(土)〜8月18日(日) / 2期 8月20日(火)〜9月8日(日) / 3期 9月10日(火)〜10月14日(月・祝)]
会場:久留米市美術館 2F
住所:福岡県久留米市野中町1015
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(8月12日(月・祝)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,000円(800円)、65歳以上 700円(500円)、大学生 500円(300円)、高校生以下 無料、前売 700円
※( )内は15名以上の団体料金
※前売券は、チケットぴあ(Pコード 686-811)、ローソン各店(Lコード 86707)にて、会期1か月前より販売
※障害者は手帳の提示により、本人および介護者1名は無料
※上記料金にて石橋正二郎記念館も観覧可
【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL:0942-39-1131