ハイドサイン(HIDESIGN)の2025年春夏コレクションが、東京ファッションウィーク期間中の2024年9月2日(月)に渋谷にて発表された。
多種多様なワークユニフォームを手掛けるデザイン集団から生まれたハイドサイン。前シーズンまで立て続けに「グレー カラー(Gray Collar)」をテーマに掲げてきたハイドサインであったが、今季は肉体労働者を示す「ブルーカラー(Blue-Collar)」を主題に設定。多種多様な環境で働く労働者それぞれに寄り添い、酷暑や防雨にも負けず、身体の健康を守る機能的なウェアを提案する。
今季、ハイドサインは4つのテーマに分けて「ブルーカラー」に適したウェアを探求した。1つ目のテーマは、「エアフローウェア(AIR FLOW WEAR)」。外で作業する者にとって、今や必需品となったファン付きベストやジャケットを指す。ファン付きウェアを着用した際に生じる音や冷えすぎるといった課題を解消し、少ない風量でもちょうど良いウェア内環境を生みだしたのである。
同時に、ファンを起動し空気を送った際のフォルムにも配慮。空気流動に着目し、着丈を短く設定することで膨らみを抑えた。ジャケットは、胸部や背部の膨らみを抑えつつも、袖部分はふっくらとさせ、ほどよくバランスの取れたファッショナブルに楽しめる1着となっている。
次に探求したのは、収納機構を充実させる「ストレージファンクション(STORAGE FUNCTION)」。酷暑や防雨から快適に身体やバッグなどすべてを守り、持ち運びも容易なコートがその例だ。頭からすっぽりと身体を包み込むビッグシルエットとなっている。大きめのリュックサックの上から羽織れば、どこか球体のようなフォルムとなるのもポイントだ。撥水性にも優れているため、急な天候の変化にも対応することができる。
3つ目の探求は、ブランド創設以来大事にしている「パターンメイキング(PATTERN MAIKING)」だ。パンツの立体構造を工夫することで、快適な着心地を実現した。たとえば運送業を想定したパンツは、荷物を移動させる際の屈伸運動や歩行に適した生地の伸び具合、肌と接地する生地との距離感を調整。また科学者を想定したパンツでは、長時間の立ち仕事に対応すべく、本来よりも高めのウエスト位置に設定し、ウエストにかかる負荷を軽減させた。いずれも、優れた機能性を持ち合わせつつもどこか無骨さのそぎ落とされたカジュアルなワイドパンツに仕上がっている。
人が最も快適だと感じる温度は32±1℃、湿度50±10%rh、気流25±10cm/秒速であることを考慮し開発した「セルシウス(℃ELSIUS)」という素材にも注目。環境の変化に応じて快適な温度に調節してくれる温調素材「セルシウス」をベストやジャケットに採用し、ミニマムな表情をプラスした。
今季のテーマでもある「ブルーカラー」に則り、カラーはすべて青に統一。空や海を思わせるブルーで、広い空の下、海の近くまたは海上にて働く人々へ思いを馳せた。