ヴィルドホワイレン(WILDFRÄULEIN)の2025年春夏コレクションが、東京ファッションウィーク期間中の2024年9月3日(火)、渋谷ヒカリエ ヒカリエホールAにて発表された。テーマは、「Wholly oneself」。
今季のヴィルドホワイレンは、“完全なる自分自身”を意味する「Wholly oneself」がコンセプト。2024-25年秋冬以降、新たなコレクションを制作していた半年間におけるデザイナー・ループ志村の苦悩や、必死にもがいてきた道のりを最大限に表現したコレクションを展開する。
幼少期から多彩なジャンルの芸術に触れてきたループ志村。自らが描いた絵画が飾られたステージ上にて、作曲を手掛けたというバンドの演奏とともに、今季のランウェイは幕を開けた。ファーストルックでは、柔らかな素材をボディに纏った女性が颯爽とランウェイを走り抜けた。日本舞踊を嗜み、しなやかな身体表現を得意とするモデルによる演出は、「日本が好き」と語るループ志村たっての希望だという。
また、日本の伝統芸能である能も取り入れた。たとえば、能面をモチーフにした面をつけたルックでは、カジュアルな雰囲気のカットソーと、ゆったりとしたシルエットのハーフパンツを合わせ、異なる世界観をドッキング。様々な芸術の輪が融合しながら広がっていき、平和な世界を目指すループ志村の願いが込められている。
今季よりウィメンズのルック数を増やし、エレガントな印象にまとめているのも特徴的。レースアップで編み上げたビスチェやオールインワンをはじめ、ハーネスやベルトを用いたタフな装いで、闘う女性の美しさを表現している。
ループ志村は、“自分の能力を超えてくる”エネルギーに満ちた瞬間を衣服に昇華。無数のゴムベルトからなるロングアウターや、着物のような布を身体に巻き付けたルック、ゴールドの羽が煌めくワンピース、レオパード柄のトップスなどを通して、いきいきとした躍動感を落とし込んだ。