アンダーカバー(UNDERCOVER)の2016年春夏コレクションが2015年10月2日(金)にパリのサーカス会場で発表された。ブリティッシュロックとマウンテンギア、そしてサーカス。今シーズンはこれら要素をミックスした、斬新なアイテムやスタイルを披露した。
序盤から登場するのは、イギリスらしいチェックのセットアップ…かと思いきや、ジャケットに注目。実は3Bジャケットに見えるアイテムは、前半分しかないのだ。後ろはリボンで結ぶディテールとなっており、エプロンのようにも見える。他にもジャケットの袖だけを羽織るものなど、目の錯覚を狙ったアイテムはコレクションの大きな特徴となっている。
目を欺かれるアイテムの筆頭が、バックパックとアウターが一体化されたアイテム。テーラードジャケットを始め、MA-1、ワンピース、そしてトレンチコートまで背中にバックパックが付いている。またバックパック単体では、城の形をしたものも登場し、かなりのインパクトを与える。他にも、多くのアウターに付けられた大容量のポケットや、ナポレオンジャケットの背中に施されたゴムなど、マウンテンギアのディテールを惜しみなく応用。シティライクなアイテムをさらに高機能にすることで、忙しいワーキングウーマン向けの戦闘服を作り上げる。
そして後半は、雰囲気を変えてローリングストーンズのオマージュへと。彼らの顔をトランプの模様と合わせたプリントを多用する。ここで、ストーンズの楽曲がショーで鳴り響いていた理由が判明するのと同時に、コレクション内でロックなブーツやレザーアイテム、イギリスらしい柄などが披露されたことにも納得がいく。
最後は、序盤の騙し絵的アイテムをレイヤードで見せるスタイルの連続。モデルに施されたピエロの化粧と襟飾が相まって、ロックンロールなサーカスの世界へ観客を連れ込んだコレクションとなった。