エトセンス(ETHOSENS)の2016-17年秋冬コレクションが、2016年3月19日(土)東京・渋谷ヒカリエで発表。「交わる線 LINE of intersection」をテーマに、様々な要素が、互いに影響しあい生まれる美を追求したワードローブを披露した。
テキスタイルの上に乗せられたベルトテープ然り、直線的なデザインが象徴的に盛り込まれる。プリントも、ビル街のように直方体が連立するものや、スクエアーが何層にも折り重なった物など、抽象的で無機質なものが多い。
チェスターコートとカラーレスコートを合わせたものは、襟の形状が違う2枚のコートをレイヤードしているかのようだが実は1枚のコート。歩くたびにチラリと見える表情の違いがポイントだ。その他、シャツのようなディテールのコートから切りっぱなしのロングカットソーを見せるなど、洋服同士の交わりが手を替え品を替え提案される。
ランウェイには、実に多種多様なタイプのモデルが登場した。これまでメンズのみを展開していたエトセンスとしては初めて、女性モデルを起用したほか、身長や気配、体格がバラバラな人間をあえて用いることで、同型のアイテムでも人によって全く雰囲気が変わる面白さを表現している。
エトセンスといえば、凝った素材選びが特徴の1つ。ショーの終盤に登場した、織地がチェック柄のように見える生地を始め、ライナーに使用されるような薄く光沢のある生地でワイドパンツを作ったり、ジャカードを切りっぱなしにしたようなほつれを見せたり……。グリーンをやベージュを基調とする穏やかなカラーに乗せた素材感の違いが、コレクションに深遠さをもたらしていた。