ピエール・アレシンスキー展が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで2016年10月19日(水)から12月8日(木)まで開催される。
《写真に対抗して》 1969年 アクリル絵具、キャンバスで裏打ちした紙 ベルギーINGコレクション
© Pierre Alechinsky, 2016
日本・ベルギー友好150周年を記念して開催される本展は、ベルギー現代美術を代表する作家・ピエール・アレシンスキー日本初の回顧展。1940年代から最新作までを網羅した約80点を紹介する。
戦後のアートシーンにおいて頭角を現したアレシンスキーは、1948年結成の前衛美術集団「コブラ」の活動を通じて活躍。解散後もその精神を受け継ぎ、90歳近い現在も精力的に制作をつづけ、常に新たな作品を発表しつづけている。
《夜》 1952年 油彩、キャンバス 大原美術館蔵
© Pierre Alechinsky, 2016
アレシンスキーの作品の魅力は、見る者を圧倒するダイナミックな筆致。そのルーツは、意外にも日本の書道だという。文字に対する意識と自発的で自然な筆さばきに興味をもった彼は、次第に書道の世界に引き込まれた。50年代初頭には、表象とも文字ともつかないものが全面を覆い尽くした作品《夜》も発表している。
その後、日本の前衛書道誌『墨美(ぼくび)』と出会い、雑誌を主宰していた書家の森田子龍と交流を深めることで、さらに書道の世界に入り込む。彼女との出会いは大きな転機。やがて、大きなサイズのキャンバスや紙を書道のように床に置いて描くようになっていった。
《肝心な森》 1981-84年 アクリル絵具/インク、キャンバスで裏打ちした紙 作家蔵
© Pierre Alechinsky, 2016
しかし、油彩は乾くのに時間が掛かるため即興的な制作には向いていない。アレシンスキーは、その難点を解決するためにアメリカで見出した速乾性のアクリル絵具を使用するようになる。アレシンスキー独特の流れるような筆さばきとの相性は抜群。本展で展開される《至る所から》や《肝心な森》も、このスタイルによるものである。
また、文字との関わりでは、捨てられた手紙や不要になった書類、帳簿、古い証明書、地図、航海図など、焼かれる難を逃れた紙類といった文字のある反故紙を使って多くの作品を制作しているのも彼の作品の特徴だ。
【開催概要】
ピエール・アレシンスキー展
開催期間:2016年10月19日(水)~12月8日(木) ※10/24(月)のみ休館
開催時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
開催場所:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2丁目24-1
入館料:
当日 一般 1,400円(1,200円) 大学・高校生 1,000円(800円) 中学・小学生700円(500円)
※()内は前売・20名様以上の団体料金。
※学生券購入の場合は、学生証提示要。(小学生は除く)
※障害者手帳の提示で割引料金あり。詳細は窓口で。
チケット販売期間:
前売券 2016年8月9日(火)~10月18日(火)
当日券 2016年10月19日(水)~12月8日(木)
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:03-5777-8600