2011年10月6日、ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)が2012年春夏コレクションを発表した。 タイトルは「輝ける光の交響曲」。プリミティブでモダン、ミニマルでカラフル、相反する要素が組み合わされて完成したのは洗練されたエレガンス。
白地にオレンジやイエローグリーン、明るいブルーのネオンカラーで描かれているのは、木の葉を散りばめたようなパターン。スクエアなシルエットのドレスや、ノースリーブとパンタロンのコーディネートでは、ミニマルなフォルムと鮮やかな色彩とが、爽やかに響き合った。 コートドレスは目の覚めるようなオレンジや若草色。大きなVを描くネックラインとゆったりしたシルエットに、大きなボタンでちょっとレトロな雰囲気に仕上げた。ボーダーのアイテムの上から、シースルーのストライプのトップスを重ねれば、カラフルで楽しいユニークなチェックの出来上がり。
優雅なシルエットのワンショルダーのロングドレスやワンピースは、手書き風のボーダーが、夏の日差しを反射してきらめく海のよう。太陽を隠す黒い雲のようなグレイやブラウンのシースルーがネオンカラーの輝きを隠しに来るが、首元を彩る明るいブルーやピンクのロングスカーフが、再び輝きの時が来ることを告げ、ネオンカラーのリボンがドレスの上で稲光のように鮮烈な光を放っている。
音楽が賑やかになり、登場したプリミティブアートのようなプリントは、デザイナー本人がメキシコを旅してインスピレーションを得て描いた絵から。その情熱的な色使いや躍動感あふれるラインからは民族の熱気が伝わってくるようだ。
アースカラーのトレンチコートやジャケットで都会のスタイルを提案し、最後はシックなグレイやチョコレートブラウンに鮮やかなブルー、オレンジ、グリーンが映える、モダンで洗練されたスタイルが登場。ラグジュアリーな刺繍が施されたプリンセスラインのドレスをキュートなリボンで飾り、フレッシュなエレガンススタイルでショーを締めくくった。
母小篠綾子さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「カーネーション」も今週スタートしたばかり。日本を代表するデザイナーの一人として、見事に時代の香りを表現したコレクションだった。