バーバリー ( BURBERRY )が2016年のクリスマスフィルムを、2016年11月1日(火)に公開した。
2016年でブランド160周年を迎えるバーバリー。つまり、創業は1856年にまで遡る。この間、バーバリーはファッションの世界に2つの歴史的功績を残した。1つは「ギャバジン」生地の考案、もう一つは「トレンチコート」の誕生だ。
公開されたフィルムは、バーバリーの“2つの発明”を、創業地であるイギリスの歴史をとともに振り返ることができる。
1879年、バーバリーの創業者トーマス・バーバリーによって考案された「ギャバジン」から物語は始まる。一般的にギャバとも言われるこの生地は、綿密に織られた綾織りの丈夫な生地で、耐久性・撥水性に優れたものだった。通気性に優れ、悪天候に強い革新的な布地は、従来の重く着心地の悪かったアウターウェアに革命をもたらし、歴史の随所に顔を見せるようになる。
例えば、20世紀初頭イギリス。3度の南極探検に赴いたアーネスト・シャックルトンが着用していたのは、ギャバジン素材の衣服。防寒性、快適さ、耐久性に優れたバーバリーのギャバジンが、防寒着として使用されていたのだ。ちなみに、フィルムの中では、1914年のエンデュアランス号の遠征を描いており、俳優・ドミニク・ウェストがアーネストを演じている。
もちろん、ギャバジンはバーバリーのアイテムにも使用されている。ヘリテージ トレンチコートは、今もこの布地で作られているほどだ。
トレンチコートは20世紀初頭の軍隊のニーズに応えるために開発されたのは有名な話。その原型は、1912年にトーマス・バーバリーが考案、特許を取得した「タイロッケン」だ。ボタンはなく、ウエストをベルトで締めて着るスタイルの外套だった。時の流れとともに洗練されていったデザインは、現在のアイコニックな「ヘリテージ トレンチコート」へと進化していく。
肩のアイコニックなディテールであるエポレット(肩章)は将校の階級を示すためのもの。後ろの布が2重になったストームシールドはアンブレラヨークとも呼ばれ、その名の通り雨が浸み込むのを防いでいる。また、ベルトのメタル製Dリングは軍事用品を下げるために付けられた。伝統的なミリタリースタイルを受け継ぎながら、バーバリーのイングランド製トレンチコートは、100年の歴史を経た。
フィルムは、イングランドにて6日間をかけて撮影された。脚本は映画『ブリッジ・オブ・スパイ』で知られるマット・チャーマン、監督は『AMY エイミー』を手がけたアシフ・カパディアが手掛けた。映像の中に登場するトーマス・バーバリーの工房をはじめとする撮影のセットはアーカイブの記録にインスパイアされているので、細かい描写も見逃せない。
キャストには、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や「ハリー・ポッターシリーズ」にも出演しているドーナル・グリーソン(トーマス・バーバリー役)、そして、バーバリーのキャンペーンにも登場しているシエナ・ミラーやリリー・ジェイムズも出演している。