「マリメッコ展―デザイン、ファブリック、ライフスタイル」が渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中。期間は2016年12月17日(土)から2017年2月12日(日)まで。
フィンランドを代表するデザインハウス「マリメッコ(marimekko)」は1951年、アルミ・ラティアによってヘルシンキで創業された。フィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得て生み出された、大胆でカラフル、そして抽象的なデザインが特徴だ。柄の映えるシンプルなカッティングの服は人気を呼び、その後インテリアまで展開されることとなる。ちなみに、「マリメッコ」とは、フィンランド語で「マリーのドレス」という意味。
国内初の大規模な巡回展となる今回は、マリメッコの60年にわたる歴史をたどり、個性あふれるデザイナーの仕事ぶりと活躍を紹介。ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック計200点以上、貴重なヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、そして各時代の資料などが展示される。デザインの国=フィンランドらしい魅力に溢れた、鮮やかで心踊るコレクションが会場を彩る。
会場は3つのセクションで構成されている。「はじめに―マリメッコとは?」には、1950年〜2000年代の象徴的な柄のファブリックが揃う。60年以上におよぶマリメッコの歴史を辿る「マリメッコの歩み」では、創業当時の貴重なドレス、ファブリック、アクセサリーや食器などに加え、時代を創った著名デザイナーのインタビュー映像を見ることができる。
さらに「デザインの芸術」では、デザインを描き起こしてから、ファブリックとして製品化されるまでの過程をマリメッコ本社にあるプリント工場の貴重な映像を交えながら紹介する。また、デザイナーが柄の構想を練る際に描いた自筆のスケッチと、実際に製品化されたものを並べて展示し、有名な柄が生まれた原点をみせていく。
中でも見どころの、第2章「マリメッコの歩み」をピックアップして紹介。ここでは、各時代を創り上げた著名デザイナーたちが生み出した鮮やかなプリントのほか、それを使用したドレスやシャツなど、実際の服が展示されている。
例えば、1930年代に活躍したヴォッコ・ヌルメス二エミの作り上げた、ストライプ柄を取り入れたドレスやシャツは、その直線的なシルエットによって、女性の装いに新文化を告げるものとなった。
また、マリメッコの最も代表的な図案デザイン「ウニッコ」は1950年から80年代に活躍したデザイナー、マイヤ・イソラが作り上げたもの。ケシの花をモチーフにしたもので、このほか彼女は約500種の図案をデザインした。
さらに、マリメッコの新しいステージを築いたベンッティ・リンタはカジュアルさや実用性など着やすさを重視した、ボリュームシルエットのウェアを提案し、初の外国人デザイナーとして起用された石本藤雄は風景をそのまま落し込んだデザインを起用し話題を呼んだ。
他にも、会場ではそんなマリメッコのドレスを着用したジャクリーン・ケネディの写真や彼女が所有したドレス、さらにファッション誌に取り上げられたウェアもそのページと共に紹介される。
各時代で進化を遂げてきた「マリメッコ」の様々な顔を見ることができるコーナーとなっている。
グッズエリアでは、マリメッコの人気デザイン「ウニッコ」のステーショナリーや食器、バッグ&ポーチなどが大集結。さらに、可愛らしいクリスマスアイテムも展開されている。来場記念にぜひチェックしてみて。