カルバン・クライン 205W39NYC(CALVIN KLEIN 205W39NYC)の2017年秋コレクションがアメリカ・ニューヨークで発表された。
今シーズンはラフ・シモンズによるデビューの年。会場となったのは、アーティスト、スターリング・ルビーの作品に囲まれる無機質なコンクリートの空間である。自身のブランドの2014年秋冬コレクションでも彼の作品にヒントを得ていたが、今シーズンもまた彼の想いを取り入れた。ルビーが「カルバン・クライン」から連想するという“アメリカ”をコレクションに落とし込んだのである。
「スタイルやドレスコードが異なる様々な人々。ひとつの時代でもなく、ひとつのものでもなく、ひとつのスタイルでもない。様々な個性、様々な個人が一体となったもの。」ラフ・シモンズは、アメリカについてこのように述べ、これらがアメリカという国の美しさであり、その環境をランウェイで表現したと述べている。今季はまさにアメリカへのオマージュだ。
マーチングバンドのユニフォームを想わせるシャツとパンツはポップなカラーで表現され、オーセンティックなチェック柄のコートは透明のナイロンに包まれている。アンティークの手作りキルティング、オリエンタル調のボタニカル柄、そしてワークウェアやウェスタンウェアのミックス……。挙げればきりがないほど、あらゆるエッセンスが閉じ込められている。
さらには、ヌーディーなトップスと禁欲的なフォーマルスーツ、エレガントなフェザードレスとカントリーなデニムのセットアップといった対照的なものさえ共存する。混沌とした街同様に、あらゆるものが混ざる今回のランウェイに一貫性はない。しかし、それが何よりの魅力なのだ。