特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」が、兵庫の神戸ファッション美術館にて、2025年4月12日(土)から6月15日(日)まで開催される。

“銘仙”着物約60点などを公開

大正時代から昭和時代初期にかけて、女学生を中心に流行した「銘仙(めいせん)」。鮮やかな色遣いと多彩な紋様で織られた銘仙は、絹織物でありながらも手頃な価格で入手することができるものであった。銘仙の紋様や着こなしからは、当時の社会情勢や女性のライフスタイルの変化などを窺い知ることもできる。

特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」は、銘仙の魅力を探る展覧会。個人コレクション約600点のなかから選りすぐりの着物約60点を公開するとともに、図案の原画、生地見本、当時のポスターなども紹介する。

日本の伝統的な柄をアレンジ

日本の伝統柄は、明治時代、西洋の影響を受けて、大胆で色彩豊かなものへと変化した。こうした流れのもと、日本の伝統柄をアレンジした紋様は、目に馴染んだものでありながら新しさを持ちあわせ、多くの女性を惹きつけることになった。本展では、「流水に睡蓮文様」の単衣など、伝統的な柄をアレンジした銘仙を目にすることができる。

女学生から人気を集めたロマンティックな柄

西洋文化の影響を受けた女学生たちが好んだのが、西洋の花々、蝶、小鳥、リボン、チェックなど、ロマンティックな柄であった。昭和時代初期には、少女雑誌が流行し、高畠華宵といった画家の影響のもと、女学生独自のサブカルチャーも生まれていたようだ。会場では、「フルーツ尽くし文様」の単衣など、ロマンティックな柄で彩られた銘仙を展示する。

ロシア・アバンギャルドの影響

昭和時代初期の百貨店は、職業婦人として働く女性たちに向けて、新たなイメージの銘仙を作るプロジェクトを立ち上げた。そのデザインには、当時の前衛作家が携わり、世界的に流行していたロシア・アバンギャルドからも影響を受けつつ数多くの着物を手がけた。本展では、幾何学的なロシア・アバンギャルド風文様などを紹介する。

展覧会概要

特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」
会期：2025年4月12日(土)～6月15日(日)
会場：神戸ファッション美術館
住所：兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
開館時間：10:00～18:00(入館は17:30まで)
休館日：月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
観覧料：一般 1,000円(800円)、大学生 500円(400円)、高校生以下 無料
※神戸市内在住の65歳以上は無料、神戸市外在住の65歳以上は500円(400円)
※( )内は有料入館者30名以上の団体料金
※和装での来館者には団体料金を適用

【問い合わせ先】
神戸ファッション美術館
TEL：078-858-0050