ミュージカル映画『エミリア・ペレス』が、2025年3月28日(金)に全国公開される。
ミュージカル映画『エミリア・ペレス』は、第77回カンヌ国際映画祭や第37回ヨーロッパ映画賞で高い評価を受け、賞レースの大本命と謳われる作品。女性として新たに生きることを決意したメキシコ最恐の麻薬王と、彼女との出会いにより、新たな運命を切り開いていく3人の女性たちの姿を、ミュージカル仕立てで描いている。
サスペンスとアクション、ミュージカル、ヒューマンドラマを掛け合わせたこれまでにない独創的な作風となっているのが『エミリア・ペレス』の魅力。30年にも及ぶキャリアを持つフランスの名匠ジャック・オーディアールが、罪と救済、愛と憎しみ、友情と裏切り、女性たちの連帯をドラマチックにまとめあげた。
なお監督・脚本を務めたジャック・オーディアールは、『ディーパンの闘い』でカンヌ映画祭パルムドール、『ゴールデン・リバー』でヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。映画史にとっても重要な人物である名匠が、新たな傑作を生みだす。
物語の中心となるのは、麻薬カルテルのボス、マニタス。何万人もの規模で行方不明者を出す犯罪をとり仕切る1人だった。彼は「女性としての新たな人生を用意してほしい」と極秘の依頼を弁護士のリタに託し、リタの完璧な計画によって女性として生きていくことになる。
そして数年後、イギリスで新たな人生を歩むリタの前に現れたのは、かつてのマニタス、エミリア・ペレス。過去を悔い改めたエミリアは、行方不明者を捜索する団体を設立。資金調達のために慈善事業パーティーを開催するが、そこには経済界の大物だけでなく麻薬王、汚職政治家、詐欺師といった"汚れた金"で成り上がった者たちが集まってきたのだった。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみを絡め、彼女たちの人生が再び動き出す……。
劇中では、犯罪や贖罪をミュージカルシーンを通して描き出す。エネルギッシュな楽曲は、物語の舞台であるメキシコにちなみ、ラテンな雰囲気で。エミリアとの出会いによって“自分らしい自由な人生”へと大きく運命を切り開くことになる女たちの決意、覚悟、葛藤なども、歌やダンスにのせて表現される。
特に、第97回アカデミー賞で歌曲賞を受賞した主題歌「El Mal」ではボルテージが最高潮に。皮肉と怒りを込めた楽曲とともに、心の叫びを爆発させていく。美しくもダークで、大胆かつエキサイティングな至極のエンターテインメントを感じられるだろう。
メインキャストは、スペイン出身のトランスジェンダー俳優カルラ・ソフィア・ガスコンや、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのゾーイ・サルダナ、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』など歌手だけでなく役者としての活躍も見せるセレーナ・ゴメス。
エミリア・ペレス…カルラ・ソフィア・ガスコン
犯罪をとり仕切るメキシコの麻薬王マニタスとして生きていたが、“本当の自分になりたい”と願い、女性としての新たな人生を送る。かつて麻薬王だった時代の情報網を活かし、行方不明者を捜索する団体「ラ・ルセシタ(小さな光)」を設立する。
リタ・モラ・カストロ…ゾーイ・サルダナ
マニタスから極秘の依頼を受ける弁護士。エミリアのビジネスパートナーとなる。人種や性別で実力を評価されてこなかった。また、明らかに罪を犯した男たちが金の力で裁判を動かし、無罪放免されるという現実が横行するメキシコの腐敗した司法制度に怒りを抱えている。
ジェシー・デル・モンテ…セレーナ・ゴメス
マニタスの妻。自分を抑え、妻として、母として生きてきた。