モンクレール ガム・ブルー(MONCLER GAMME BLEU)が、2018年春夏コレクションをイタリア・ミラノで2017年6月18日(日)に発表した。
夏と冬。会場には2つの季節が共存していた。半分にはモミの木の並ぶ雪の積もった景色、もう半分にはヤシの木の生えたビーチの景色を望める。ショーの中で2つの季節がどう表現されるのか、今季の“トム・ブラウンワールド”もまた、会場から想像を膨らませることとなった。
先に訪れたのは冬。登場したモデルたちは、全身ダウン仕様の端正なスーツで、スマートな面持ち。背中にはブランドのアイコニックなマークをあしらった大きなバックパックを背負っている。お馴染みの赤、白、青、グレーのカラーリングで、時にはチェック柄を織り交ぜて、素材もナイロン、ウール、ファーと多様性に満ちている。
夏の訪れを待ちわびていると、海パン姿の男が3人現れた。彼らは先に登場したモデルたちの服に取り付けられたジッパーを下ろして、ダウンコートを脱がし始める。実は、スーツに見えたダウンコートは、背中心にも、ボトムスの膝ほどまでにもジッパーが施されていて、まるで寝袋を着るといった感覚になっていたのだ。
彼らがダウンを脱げば、いよいよサマータイム。爽やかなブルーのピンストライプ、テクニカルな極薄のナイロン素材、そしてアイコンカラーで構成するチェック柄。先ほどまで着ていたダウンコートとリンクするテキスタイルで提案している。足元は足袋のような靴下に、ビーチサンダル。ソールの底にはきちんと3色のスリーラインが走っていて、そのこだわりは抜かりない。
この数分間で訪れた両極の季節を経ても、コートからジャケット、スラックス、ソックスに至るまで、洋服は繋がりを絶やさず、紳士的でクリーンな印象を持ったまま。柄や素材は同じでも、表現の仕方を変えることで、1年の洋服の楽しみ方を、この数分間をもって教えてくれたのかもしれない。