漫画家・荒木飛呂彦の原画展「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」が、長崎、金沢に巡回。期間は長崎県美術館にて2020年1月25日(土)から3月29日(日)まで、金沢21世紀美術館にて4月25日(土)から5月23日(土)まで。
漫画家・荒木飛呂彦による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の誕生30周年を記念して開催された、「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」は、東京・大阪の2会場で26万人以上が来場。東京では国立新美術館で開催され、国立美術館で開催される漫画家の個展としては、手塚治虫以来実に28年ぶりであり、史上2人目という快挙となった。大阪では初の『ジョジョの奇妙な冒険』の展覧会として、人気を博した。
長崎県美術館は昭和初期に活躍した長崎出身の挿絵画家・椛島勝一の作品を収蔵しており、椛島勝一の孫にあたる『ジョジョの奇妙な冒険』初代担当編集者・椛島良介との縁により巡回展の開催が実現。会期中は、常設展示室にて椛島勝一の作品が展示される予定だ。
本記事では、14万人が来場した東京会場の展示内容を振り返るかたちで、見どころを紹介する。
※記事の内容は長崎、金沢会場の展示内容とは一部異なる。
※掲載写真は東京会場。長崎、金沢会場の展示とは異なる。
展覧会は、全8チャプターで構成。最も注目すべきは"実物大"のキャラクターを描いた完全新作の大型原画だろう。さらに、気鋭の“JOJO派”アーティストとのコラボレーション作品も必見だ。
まず初めに迎えてくれるのは、作品誕生から30年の歴史と歩みが詰まった「ジョジョクロニクル」ゾーン。「ファントムブラッド」から「ジョジョリオン」まで、主人公や舞台を変えながらも、脈々と受け継がれる歴代ジョジョ達の壮大な運命の物語を振り返る。
宿命と因縁を背負う主人公とライバルの戦いは、『ジョジョ』作品最大の見どころの1つ。「宿命の星 因縁の血」ゾーンでは、各キャラクターの強い信念を感じさせるシーンや言葉を対比させることで、主人公とライバル=“光と闇”が創る世界を表現する。
向かって右側には主人公たち、左側にはライバルたちの原画が向き合うように並べられ、中央にはそれぞれの名台詞がプリントされたバナーをクロスさせるように展示している。
作中において最も重要な要素の1つであるスタンドとは、個々の生命エネルギーが作り出す像(超能力が視覚化されたもの)。“奇妙な冒険”をより引き立たせる、個性豊かなスタンドとキャラクターが「スタンド使いはひかれ合う」ゾーンに集結する。
『ジョジョ』を彩る、魅力あふれるカラー原画が並ぶ「JOJO’s Design」は、印象的なポージングやファッション、色使い、構図など『ジョジョ』のデザインが生み出すアーティスティックな世界観を楽しむゾーン。