東京、清澄の小山登美夫ギャラリーで2012年4月21日(土)から6月2日(土)の期間、風能奈々展「水の漏れないうつわ」と、蜷川実花展「PLANT A TREE」が同時開催される。
■風能奈々展「水の漏れないうつわ」
「水の漏れないうつわ」では、幅5m以上の3枚組の大作から20cm x 20cmの小品までの新作ペインティングを展示すると共に、上述のドローイング・ノート、つまり風能にとっての「水の漏れないうつわ」も、展覧会では初めて展示される。インスピレーションを得たとき、すぐに描きとめなければ逃げてしまう。それを受け止めるための受け皿、うつわのようなもの。それを本展のタイトル「水の漏れないうつわ」は意味している。あるアーティストとの対話のなかで、風能は以下のように話している。
「ぶかぶか浮かぶものをすぐに描きうつさないと消えてしまって、なにも残らない。砂漠で手をうつわの形にしてその中に水をすくっている感じというか。ポタポタ垂れてしまったものは、すぐにからからの砂に吸い込まれて乾いてしまう。・・・急いで描きうつす、もしくは水の垂れないような、指の隙間のないような、しっかりしたうつわをずっと探しているような気がします。」
風能奈々 Nana Funo 扉を探す Looking for a door 2011 acrylic,dye,gesso on canvas diam.90.0 cm
©Nana Funo courtesy of Tomio Koyama Gallery
■蜷川実花展「PLANT A TREE」
「PLANT A TREE」では、2011年に発行された蜷川実花の写真集「PLANT A TREE」からの作品を展示する。この写真集は、蜷川の写真集「noir」のデザイナーでもあり、同世代の写真家40人の作品を収録した写真集『40+1 PHOTOGRAPHERS PIN-UP』で一躍脚光を浴びた町口覚がデザイン、編集を手掛けたもの。通常、写真集の編集には深く関わる蜷川が、初めて全てを託し制作された本でもある。この一連の写真は、2010年のある日3時間だけ目黒川に咲く桜を撮影したもので、暗い川面に舞い散る桜が、浮かび、漂い、流れて行く様が写し取られている。それはまるで涙を通して眺めているかのようで、儚さや葛藤を思わせ、見るものの心を締めつけて離さない。
蜷川実花 Mika Ninagawa PLANT A TREE 2011
©mika ninagawa courtesy of Tomio Koyama Gallery
【風能奈々 展「水の漏れないうつわ」】
開催期間 : 2012年4月21日(土)〜6月2日(土)
オープニングレセプション : 4月21日(土) 18:00~20:00
アーティストトーク:4月21日(土) 17:00~
【蜷川実花 展「PLANT A TREE」】
開催期間 : 2012年4月21日(土)〜6月2日(土)
オープニングレセプション: 4月21日(土) 18:00 空20:00
アーティストトーク:4月21日(土) 17:30~
【小山登美夫ギャラリー情報】
開廊時間:火~土曜日 12:00~19:00
休廊日:日、月曜日 及び 祝日
TEL : 03-3642-4090
オフィシャルサイト
URL : http://www.tomiokoyamagallery.com/