アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueenの2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月19日(金)にフランス・パリで発表された。
英国の男性たちのエレガンスを起点とした今季、序盤を占めたのは、テーマに忠実なスーツスタイルだ。ピンストライプやグラフチェックのスマートなテーラード、クラシカルなボックス型のダブルブレストのロングコート、今シーズンを象徴するアーガイル柄のニットが登場している。さらには、アーガイルニットから派生するように、タータンやグレンチェックなどが現れトラッドなムードを促す。英国紳士の必需品ともいえるトレンチコートは分解し、腰に巻いてスカートのように着こなすことで新たなアイテムとして再解釈しているようだ。
中盤は、フォーマルが溶けだした印象。オーバーサイズで仕立てた中性的なレースのブラウスと緩く裾広がりのクロップド丈スラックス、精緻なジャケットとリラクシングなジョガーパンツといった具合に、ほどよく肩の力を抜いたスタイルが光る。また、足元はスタートより主流だったレザーシューズではなく、スニーカーを合わせることで、より軽やかな演出をみせている。
後半に近づくにつれ、ファブリックが多様性を増して華やかになっていく。ゼブラ柄やロマンティックなバラ柄などがのせられ、レザーは解体と再構築を組み合わせたかの如くパッチワーク状に施されてコートを形成する。装飾は、真骨頂である刺激の強いドラマティックな刺繍だけでなく、今回はジッパーやスナップボタンのディテールを取り入れており、どこかパンクな装いさえ匂わせた。
終盤は、アレキサンダー・マックイーンならではのラグジュアリーなテーラードが後を絶たない。ペイズリー柄のリッチなジャカードジャケット、キルトのラペルを採用したガウンコート、ジェットビーディングで装飾されたテーラードなど。コレクションが進むにつれ豪華になり、力強さと繊細さ、そして男性特有の色気を感じさせた。