ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のフォトブック『ファッション・アイ(FASHION EYE)』に、篠山紀信ら5人のフォトグラファーを迎えた新刊が2018年11月より登場。また、ルイ・ヴィトン 六本木ヒルズ店と新宿店では、2018年11月2日(金)から20日(火)まで厳選した作品を展示するスペシャル・ディスプレイを展開する。
『ファッション ・アイ』は、ルイ ・ヴィトンが手掛ける“旅”に関連する書籍コレクション。才能ある若手から経験豊富なフォトグラファーまでが、都会のパノラマ、自然の風景、地元の暮らしの1コマ1コマを独自のビジョンで捉え、それぞれに表現した作品を展開する。
これまで2016年、2017年と、計10タイトルを刊行してきた『ファッション・アイ』では、各タイトルごとに大きく異なる視点が提示されており、それは目的地によっても変化している。ページを開くとそこに広がるのは、ルイ・ヴィトンと各写真家たちが描くそれぞれの“旅”の世界。タイトルごとに厳選された大判の写真、そしてフォトグラファーの経歴と、フォトグラファーのインタビューまたは批評的エッセイが収録されている。
2018年秋の新刊では、5人のフォトグラファーが、新たな地平線の探検へと私達を誘う。クレット・ディ・ブッリ(イタリア)はオリビエーロ・トスカーニ(OLIVIERO TOSCAN)、イランはハーリー・ウィアー(HARLEY WEIR)、ジュネーブ(スイス)はポール・ルーストー(PAUL ROUSTEAU)、シルクロード(中国)は篠山紀信、バリ島(インドネシア)はクエンティン・デ・ブリエ(QUENTIN DE BRIEY)。
これら5タイトルは、既刊のシリーズと同様に、各フォトブックでファッション・フォトグラファーの眼差しを通して見た都市や地方や国の姿を浮かび上がらせる。
まだ見ぬ景色を求め、日本の古都奈良から西洋の各地まで迷路を辿るように旅してきた篠山紀信。篠山もまた“旅”に魅了され、その各地の風景や地形の多様性に感化されたフォトグラファーのひとりだ。
篠山の『ファッション ・アイ』では、1981年と1982年に出版された8巻に収められた膨大なアーカイブの中から、選び抜いたものだけを掲載。一見すべて同じ仕様に見えるが、実は篠山のみほか4人の写真家たちの3倍となる約300ページで構成している。
作品数・ジャンル数の多さで他の写真家を遥かに凌ぐ篠山は、今でこそ女性ヌード写真など人物を被写体とした作品のイメージが強いが、今回は篠山が“旅”する中で出会った、広大な自然のなかで抑えた風景写真も多数セレクト。
なかには、パルミラの古代都市やシリアのアレッポの青空市場、そして2001年に破壊されてしまったアフガニスタンのバーミヤン大仏のような今はなき文化遺産など、貴重な記録が目白押しだ。戦争と狂信の暴力によって地図から消し去られた場所、そして想い巡らせる過ぎし時代を、篠山のフィルターを通して垣間見ることができる。
六本木ヒルズ店と新宿店では、 『ルイ・ヴィトン ファッション・アイ シルクロード(LOUIS VUITTON FASHION EYE SILK ROAD) by 篠山紀信』の発売を記念して、写真集の中から厳選した作品を展示するスペシャル・ディスプレイを展開する。
新宿店では、「Woman of Silk Road」をテーマに、“旅”で出会った女性たちの表情を切り取った作品にフォーカス。赤をキーカラーとした14の作品をセレクトした。メインの展示は2階となっており、1階では、階段横で韓国・ソウルで撮った王宮で位の高い人が着る礼服の写真が出迎える。
そして2階では、“旅”の定番となるモノグラムのトランクやボストンバッグ“キーポル“とともに、日本の奈良・東大寺での「糊こぼし」椿からはじまり、中国で捉えた夜行列車での風景、ダマスカスのナイトクラブで踊る女性たちまで、鮮やかな作品群が置かれている。篠山の撮影したドキュメンタリーのような作品を通し、まるでシルクロードを旅をしているかのような気分を味わえる。