展覧会「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」が、大阪の国立国際美術館にて、2020年6月2日(火)から10月11日(日)まで開催される。
ヤン・ヴォーは、メキシコ・シティを拠点に世界各地で活躍するアーティストだ。1975年にベトナムに生まれたヴォーは、4歳で家族とともに社会主義体制下の祖国から脱出。難民キャンプを経たのちデンマークへと移住し、同地とドイツの美術学校で学んだ。
ヴォーの作品は、自身や家族のそうした経験や、社会的・政治的な歴史を取り込む。たとえば、元々パリのホテルに飾られていたシャンデリアを使った作品《セントラル・ロトンダ/ウィンター・ガーデン》。1973年、このシャンデリアの下でベトナム和平をめぐる協定が調印され、南北ベトナムは統一、共産主義の道を歩みだす。ヴォーの家族が祖国を逃れたのはこのためだ。時を経て2009年、父親とパリを訪れたヴォーは、交渉の末にこのシャンデリアを入手し、作品化することとなる。
このようにヴォーは、個人や集団の記憶を“物”に這わせ、“物”がそれまで持っていた意味を揺らがせる。そこには権力やアイデンティティ、セクシュアリティといったテーマが織りこまれるのだ。
本展「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」は、ヴォーの全貌を詳らかにする日本の美術館初の展覧会となる。会場では、父親や恋人など親しい人物による作品や、ベトナム戦争を推進したアメリカ国防長官R. マクナマラの遺族とともに手がけた作品など、新作や近作を含む約40点を展示する。ヴォー自身が手がける空間構成にも注目だ。
展覧会「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」
会期:2020年6月2日(火)~10月11日(日)
※当初4月4日(土)開幕を予定していたが、会期を変更
※国立国際美術館は2020年6月2日(火)より再開
※混雑状況により、入場を制限する場合あり
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00
※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、8月11日(火)、9月23日(水)
観覧料:一般 1,200円(900円)、大学生 700円(500円)、高校生以下・18歳未満 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(要証明)
【問い合わせ先】
国立国際美術館
TEL:06-6447-4680(代表)