革製品店やテーラーからスタートしたブランドが多いこともあり、伝統の職人技術とクオリティーの高いマテリアルで紡がれた豪華絢爛なウェアが集うミラノ・ファッション・ウィーク。2013年秋冬のコレクションから、厳選した人気ブランドの一押しルックをここでチェックして。
プラダ ( PRADA ) はストラップは肩からずれ落ちていたり、ドレスの前ボタンは途中までしか留めていなかったりと、新しい着こなしのテクニックで気だるいムードを演出。シルエットは、膝丈のフレアスカートやビスチェ風のトップスが、ロマンチシズムを香らせる。ドレスやベルトなど、随所に散りばめられたメタリックカラーのアイテムでアクセントを添える。2連ストラップのシューズは、メタリックやウッディーなブラウンなどのカラーヴァリエーションで表情を変える。カラーが剥げてしまったようなヴィンテージ加工のバッグや、ウェットな質感が与えられたヘアが、さらにこなれた雰囲気を醸し出した。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6126
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1752
やはりジル・サンダー ( JIL SANDER ) は、ストイックで洗練されたミニマリズムのスピリットが光る。
シューズのバックルやソール、ジャケットのポケットに施された原色のマーキングがアクセントだ。後半にはカラーをゴールドに変えて、ブラックのウェアの中に形や場所を変化させながら出現した。
木目を象ったかのようなストライプや流れるようなスカート裾のラインなど、服がシンプルな分デティールにまで目が行き届く。ゆるやかなギャザーが施されたレザーには、波のようなニュアンスを感じる。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/5830
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1623
ファム・ファタールのように妖しく退廃的な魅力を持ったグッチ ( GUCCI ) のコレクション。こちらは、パイソン地のトップスとスカートに、蜘蛛の巣を表現したかのようなレースを胸元に飾った、都会的かつミステリアスなルック。コレクション全体を通しても、血を思わせるようなダークレッドのセットアップや、闇の中で鈍く光る水面を連想させるセルリアンブルーのサテン地のドレスなど、危険な美しさを宿したアイテムが牽引する。そんなダークな要素の中で、一層映えるのが、肩や腰部分の緩やかなシルエット。この構築的で丸みを帯びた女性らしいシェイプと、エッジーでハードなカラーやマテリアルを相反させて、印象的に仕上げた。胸元に大胆に施されたカッティングも、流れるような曲線だ。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6111
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1746
エンポリオ アルマーニ ( EMPORIO ARMANI ) は、20's香るレトロなレディスタイルを豊かなカラーパレットで解釈。コレクションを通して、立体的なシルエットが特徴的だ。優しくふっくらとした袖や腰回りのラインは丸みを帯びており、肌を見せずとも女性らしさが伝わってくる。ドレスの裾は、花のつぼみを連想させるようなシェイプで、可憐。そして、ブルー系のカラーで作ったアラベスク柄のアイテムとハレームパンツのようなシルエットのパンツが異国のムードを運んでいる。小物は、フロントにボウのついたタイプのシューズがたまらなくキュート。
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1773
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6162
ゴールドを基調とした装飾的なドレスに王冠をかぶって、異国のプリンセスといった風貌のドルチェ&ガッバーナ ( DOLCE&GABBANA ) 。
真ん中に大きくプリントした祖国イタリアの聖人たちのイコンが神秘的だ。その他にも、クロスモチーフのアクセサリーや、修道女を思わせるブラック×ホワイトのルックなど、宗教的要素をふんだんに盛り込んだ大胆なコレクションといえる。
※全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1774
サルヴァトーレ フェラガモ ( Salvatore Ferragamo ) は、ブラック、ホワイト、ネイビーを基調に、ジャケットやボックススカートでシックかつ端正にまとめた。
シースルーのタートルネックや、ロングブーツの一部をカットアウトしたようなフェティッシュなシューズが正統派な着こなしにパンチを与える。
長めのストラップがついたキューブ型のバッグが登場。ミニサイズのバッグは、他のメゾンでも見かけたアイテム。今季のアップカミングなトレンドになりそう。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6166
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1776
ロングタイプのファーマフラーが存在感を放っていマルニ ( MARNI ) のコレクション。首に巻きつける部分と垂らした部分の配色を変えたのが憎い演出。マフラー以外にも、スカートやバッグ、シューズに至るまで、毛足の長いファーが随所に用いられた。そこにゆったりめのシルエットや、ひざ下レングスのスカート、メンズのようなサンダルで意図的に作られた素朴さをプラス。
ゴージャスなファーコートにも、手元はレザーのバックパックを無造作にぶらさげて。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6154
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1771
ニューヨーク、ミラノ共に2013-14秋冬コレクションには、ファーを用いたルックが多く登場。中でもフェンディ ( FENDI ) はその代表格といえるだろう。
ウェアはもちろん、バッグ、シューズに至るまでファーの嵐。そして、なんとアイウェアのアーム部分にも。ラグジュアラスなファーを、刺激的かつ遊び心たっぷりに仕上げている。
こちらは、ショーのオープニングを飾ったルック。上質なファーコートがストライプで彩られている。ネオンカラーの配色が絶妙だ。
また、ヒールが建築的なシェイプで未来的な印象のシューズも見逃せない。モデル達のヘアにもリーゼント風に整えられたカラフル&パンクなファーがセットされている。
レポート:http://www.fashion-press.net/news/6172
全ルック:http://www.fashion-press.net/collections/1781