「裏千家」の茶室建築に纏わる歴史資料を網羅する「裏千家の茶室建築―重要文化財裏千家住宅及び茶室保存修理工事竣工記念」展が、2021年3月31日(水)まで茶道資料館にて開催される。
日本独特の文化、茶道の流派として、最も知られるのが千利休を祖とする三千家。そのうちのひとつである「裏千家」は、千利休の孫にあたる宗旦が、本家の「表千家」を代表する茶室「不審菴」を江岑宗左に譲り、隠居生活を送るために建てた茶室「今日庵(こんにちあん)」から始まった。現在では、日本だけではなく世界にも広まり、最大規模を誇る流派となっている。
「今日庵」とともに有名なのが、「又隠(ゆういん)」と「寒雲亭(かんうんてい)」。これらは宗旦の遺蹟としても名高い茶室だ。
1788年(天明8年)、裏千家九代不見斎の時代に起きた天明の大火によって、「今日庵」をはじめとする茶室は類焼したものの、翌年には修復が完了。利休200回忌の茶事が執り行われた。その後、増改築が行われ、十一代玄々斎の頃には現在の「裏千家」における大方の構造が完成したと言われている。
今回の展覧会は、これら「裏千家」の茶室建築に纏わるもの。現在は国指定重要文化財にも指定されている「今日庵」をはじめとする茶室群を含む裏千家住宅の保存修理工事が、2020年夏に竣工したことを記念して開催されることとなった。
会場では、江戸城や二条城の絵画制作にも携わった江戸時代の天才絵師、狩野探幽が手掛けたとされる寒雲亭襖絵など、茶室に関係する作品、江戸時代の屋敷図面、裏千家茶室に関する文献史料などを紹介。江戸時代初期から現代までの茶室建築史を通観できる。
また、歴代家元が敷地内の竹樹を用いて制作した茶道具や、裏千家十一代玄々斎の時代に庭内に存在した御庭焼などの作品も展示する。文献史料だけではみえてこない「裏千家」の全容を明かす。
【詳細】
「裏千家の茶室建築―重要文化財裏千家住宅及び茶室保存修理工事竣工記念」展
開催期間:2021年1月7日(木)~3月31日(水)
※展示替え期間:2月15日(月)、 2月16日(火)
※予約優先制(入館時間別に人数制限を設け、事前予約を優先。空きがあれば当日入館可能)
※事前予約URL:https://reserva.be/chado_reseach_center
開催場所:茶道資料館
住所:京都市上京区堀川通寺之内上る寺之内竪町682番地 裏千家センター内
開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(ただし1月11日は開館)、第1・第3火曜日
料金:一般:700円 大学生:400円 中高生:300円 小学生以下無料
<呈茶について>
開催日:会期中の平日(ただし京都府域における緊急事態宣言発令期間中は、水・金曜日のみ開催)
参加料:一般 500円・小学生以下 300円(要別途入館料)
※学生証提示により300円、友の会特別会員無料・正会員無料
※事前予約制
【問い合わせ先】
茶道資料館
TEL:075-431-6474