企画展「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」が、東京都現代美術館にて、2021年11月20日(土)から2022年2月23日(水・祝)まで開催される。

ユージーン・スタジオ、国内美術館初の個展

ユージーン・スタジオ(EUGENE STUDIO)は、1989年アメリカ生まれの寒川裕人による、日本を拠点とするアーティストスタジオだ。国内外で作品を発表して高い評価を得るのみならず、アメリカを代表する現代SF小説家ケン・リュウとの共同制作や、完全な暗闇で行う能のインスタレーション「漆黒能」を手がけるなど、自由な発想による幅広い活動で国際的にも評価が高まっている。

企画展「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」は、国内美術館では初となるユージーン・スタジオの個展だ。また、平成生まれの作家としては、東京都現代美術館初の個展ともなる。

本展では、代表作〈ホワイトペインティング〉シリーズや《善悪の荒野》、そして最新作に至るまで、平面作品や大型インスタレーション、映像、彫刻などを展示。

個人的な関心、美術史、過去の出来事や文明などに向き合いつつ、現実を見据えて未来像を提示する、ユージーン・スタジオの多彩な活動に通底する視点や発想、思考をひもとく。

現実を見据え、新たな世界への意識を喚起する

本展示が提起するのは、様々なことが起こり続ける現実の中で、私たちは何を信じることができ、他者と何を共有できる／できないのかといった根源的な問いだ。たとえば、『2001年宇宙の旅』のエンディングセットを風化させた大型彫刻作品《善悪の荒野》の瓦礫から、立ち昇るように現れる新作〈レインボーペインティング〉シリーズは、ある過渡期から新しい時代へ向かう象徴を思わせると同時に、“虹と出会った時”のように、作品との出会いそのものが個と集団の記憶として刻まれる。

また、ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)の2019年パリ・オートクチュール・コレクションにて披露されて反響を呼んだ、本邦初展示のインスタレーション《ゴールドレイン》では、天から降り注ぐ金の雨に目を凝らすことで、不可逆的な時の流れに寄り添う生命やその生命の誕生と存在に不可欠な重力など、当たり前に存在している日常とその成り立ちに思いを巡らせることができる。

その他、暗闇の中で制作され、暗闇の中に展示される“永遠に見えない”彫刻作品《想像》や、特殊な真鍮を用いてこの世界そのものを再現しようと試みた絵画シリーズ〈私にはすべては光り輝いて映る〉なども登場。ユージーン・スタジオが生み出す多彩な作品表現は、鑑賞者の意識を多面的に刺激し、今存在している世界へのこれまでにない気づきや未来への意識を導き出してくれるのだ。

展覧会概要

企画展「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」
会期：2021年11月20日(土)〜2022年2月23日(水・祝)
会場：東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
住所：東京都江東区三好4-1-1
休館日：月曜日(1月10日、2月21日は開館)、12月28日～1月1日、1月11日
開館時間：10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料：一般 1,300円／大学生・専門学校生・65歳以上 900円／中高生 500円／小学生無料
※開催内容は変更となる場合あり

■同時開催
・企画展「Viva Video! 久保田成子展」
会期：2021年11月13日(土)〜2022年2月23日(水・祝)
会場：東京都現代美術館 企画展示室 3F
・企画展「クリスチャン・マークレー トランスレーティング［翻訳する］」
会期：2021年11月20日(土)〜2022年2月23日(水・祝)
会場：東京都現代美術館 企画展示室 1F
・コレクション展「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」
会期：2021年11月13日(土)〜2022年2月23日(水・祝)
会場：東京都現代美術館 コレクション展示室

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600 (ハローダイヤル)
※年中無休 9:00～20:00