映画『ほんとうのピノッキオ』が、2021年11月5日(金)より全国公開される。
1883年に出版されたイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学で、ディズニーによるアニメーションも有名。ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作の制作も進行中だ。
ピノッキオといえば、誰しもが思い浮かべるのは、“嘘をつくと鼻が伸びる”というユニークなエピソード。しかしながら、この名著の主人公の実像を知る人は少ないのではないだろうか。実は、無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということをー。
映画『ほんとうのピノッキオ』は、残酷な原作童話を忠実に描いたダークファンタジー。丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を、原点に立ち戻り、“大人のためのおとぎ話”と呼ぶべき神秘的で驚きに満ちた物語に仕上げている。
メガホンを取ったのは、『ゴモラ』のマッテオ・ガローネ。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出した。
映画『ほんとうのピノッキオ』は、本国イタリアで公開されるとヒットを飛ばし、その年公開のイタリア映画ではNo.1の動員数を記録。ショーレースでも高い評価を得て、第93回アカデミー賞の衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門にノミネートされた。
特殊メイク&衣装デザインを手掛けたのは、ガローネ監督がイタリア国内外から招集した一流のスタッフたち。特殊メイクには、『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』を手掛け、ウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』やメリル・ストリープ主演の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが参加。
衣装デザインは、ガローネ作品の常連であり、ガローネ監督がディレクションしたディオール 2020年秋冬オートクチュールコレクションの特別映像「LE MYTHE DIOR」でも衣装デザイナーを務めたマッシモ・カンティーニ・パリーニが担当している。
ガローネ監督が一番苦労したというのがピノッキオの特殊メイク。驚くほどリアルに再現したピノッキオの顔の木目は、CGと見間違うほどだ。撮影当時8歳だったピノッキオ役のフェデリコ・エラピは、3か月もの期間、毎日4時間この特殊メイクをこなして撮影に臨んだという。多くの作品で特殊メイクを手掛けてきたマーク・クーリエも、「1週間や2週間ならまだしも、3か月もなんて誰もやったことがない」と明かしている。
ピノッキオ/フェデリコ・エラピ