コーチ(COACH)は、2022年春コレクションを発表した。
今季は、コーチのアイコニックな「ターンロック」を生み出した初代ヘッドデザイナー、ボニー・カシンのカラフルでエネルギッシュなクリエーションからインスパイア。80年にわたってコーチがアメリカン ファッションに寄与してきたレガシーを辿りつつ、“今”、そして“次世代”の視点からアメリカン クラシックを再解釈し新たに表現したコレクションが展開されている。
同時に、2022年春コレクションはニューヨークを称えるラブレターでもあり、セントラルパークやゼイバーズ、セレンディピティ スリー、ブルックリンブリッジといった象徴的な場所や、世界中の人々を刺激するニューヨークという都市の役割へのトリビュートが表現されている。今回のショーは、コーチが初めてファッションショーを行ったマンハッタンの西側に位置する公園、ハドソン・リバー・パークのピア 76にて開催。ニューヨークの街並みを背景に、コレクションが披露された。
印象的なのは、ウォーミングで親しみを覚えるノスタルジックな色使いだ。ピンクやライトグリーンといった明るい色彩のチェックジャカードは、生地の質感も相まって柔らかな発色に。パープルやレッド、ブラウン、ベージュなどにカラーリングされたレザージャケットは、少し灼けたような色味が魅力だ。マルチカラーのハウンドトゥースを採用したコートには、あえて淡い発色で仕上げた同じ柄のスカートをコーディネート。濃淡のコントラストが佇まいに緩急をもたらしている。
ざっくりと羽織るアウターや、Tシャツやタンクトップとボトムスのコーディネート、フレッシュなミニ丈のワンピース1枚のルック、デニムのセットアップなど、シンプルで軽快なスタイリングも特徴的。レトロなグラフィックTシャツにブランケットのようなチェック柄スカートを組み合わせたルックや、ポップなロゴ入りニットにブーツカットのチェックパンツを合わせたルックなど、組み合わせそのものはシンプルながらも存在感のあるスタイルが展開された。
アウターにはいずれも緩やかなシルエットを採用。中にはボニー・カシンのヴィンテージ アウターウェアをリニューアルしたピースも登場している。「ターンロック」を配したレザージャケットは、張り出すような袖のフォルムがユニークなデザインだ。
また、ポケットにクラスプを配したレッドのロングコートや、コーチのシグネチャーパターンを裏地に採用しレザーパイピングを施したフーデッドコートなど、アイコニックなモチーフが随所に散りばめられている。
加えて、ポップな配色とデフォルメされたイラストで表現されたトロンプルイユのカットソーやワンピースも目を引いた。Tシャツには「ターンロック」や襟、ポケットなどを、ワンピースにはクロージャーのメタルパーツやベルトなどを手描きのようなタッチで描き、カラフルな遊び心を効かせる。
さらに、ボニー・カシンがデザインしたアイコンバッグ「カシン キャリー トート」にもトロンプルイユを採用。ボディを取り囲むように3本のベルトを描き、プレイフルなエッセンスをプラスしている。