エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)は、2022-23年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。
今季のインスピレーション源となったのは、A24製作のスリラー映画『ライトハウス』。作中で孤島に閉じ込められた2人の灯台守が着ているユニフォームをはじめ、モノクロの世界の中に充満するかび臭い匂いやほこりっぽさ、泥のように重々しく不鮮明な空気感を、デザインに落とし込んでいる。ブラックやネイビー、グレーなどのカラーをメインのカラーパレットに、ダークな雰囲気を描き出した。
中でも目を引くのは、ユニフォームをベースとしたアイテム。厚手のウールアウターや、綿のワークウェア、デニムのオーバーオールなど、エンジニアド ガーメンツが従来より得意とするユーティリティウェアやユニフォームのシルエットに、シニカルで意外性のある“ひねり”を加えることで『ライトハウス』のムードを表現している。例えば、メタルのバックルを配したファイヤーマンコートは、シワ感のある素材によって着込んだかのような表情に。
また、生地の光沢感や質感を生かした、陰影の表現も印象的だ。ボアと艶やかなサテンを切り替えたライナーコートは質感のコントラストによって、不均一な光の反射を生み出し、コーティングを施したジャケットや、コーデュロイのジャケットは、暗闇の空間でこそ映える無骨な光沢をまとっている。
見た目の重厚感とは裏腹に、着てみるとしっかりとした感触がありつつも軽やかなのがポイント。細かい網目模様のキルティングポンチョやウールのピーコート、ベルト付きのコートなどのアウターなど、幾重にも着込んで重ね着を楽しめるアイテムが揃っている。また、ジャケットやコートのサイド、バックには、ボタンで開閉のできるスリットが施されており、動きのあるスタイルを演出することが可能だ。
海を想起させるエッセンスも散見された。ベストやノーカラーコートにあしらわれたカモフラージュパターンは、カモメのシルエットで構成されている。様々な模様が入り混じるジャカードジャケットや、フリンジを並べたシャツワンピースは、波の動きや泡立つ海の中を思わせる。
その他にも、航海図をプリントしたデニムジャケットや、人魚のモチーフをプリントしたフーディー、灯台柄を描いたシャツドレス、セーラーカラーのワンピース、ブリムの前部分が短く後ろが長い灯台守の帽子などが登場している。
尚、今季はパラブーツ(Paraboot)とコラボレーションしたレザーシューズや、キーンとタッグを組んだスニーカーが登場。キーン(KEEN)のスニーカーは、シューレースを取り外してスリッポンシューズとしても履くことができる2WAY仕様となっている。