リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)は、コレクション「001」を東京・渋谷の建設中ビルにて発表した。
前シーズン「000」に引き続き、「祈り」や「人と自然の調和」といったテーマを、もっとも人間の身体に近接した表現である“衣服”で描き出したリュウノスケオカザキ。今季は素材の探求とフォルムの再考を経て、自身の造形への美学をよりストイックに打ち出すことに力を注いだ。
形あるものに“祈り”を込めるという所作に基づいて制作されたドレスは、どれもダイナミックで構築的。体の周りで渦巻いたり、空に向かって突き出たりしながらシンメトリックな均衡を保つそれらのデザインは、デザイナー岡﨑龍之祐が生まれ育った広島の厳島神社の鳥居や、少年期の岡崎が絵日記に描き続けた昆虫や葉脈の姿かたちなど、知見を得る前に吸収していたナチュラルなインスピレーションを反映させたものなのだという。
たとえば、花びらのようなフォルムのドレスは、何層もの輪郭線もの重なりによる有機的なアウトラインと躍動感が印象的。自然の生命力を感じさせるエネルギッシュなモチーフをそのまま衣服として“纏う”ことで、人と自然の一体化を描き出している。
身体を中心とした造形を「3Dグラフィック」と見なし、衣服の“内側”にも人の歩みと連動する動的なシーケンスを想像したという岡崎。先シーズンよりも軽やかな素材使いや肌を露出させるデザインが散見されたのは、巨大なドレスの内、肌とファブリックのあいだに存在する“間”にフォーカスしたためだろう。
今回用いたのは、生産が終了した透け感のある薄手のカットソーや柔らかなベロア、湾曲的にカットしたハードチュール素材など。緩急のある立体的な骨組みをそれらのしなやかなファブリックで包むことで、ガーメントの中にある“空間的余白”を一層強調した。