アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)の2022-23年秋冬コレクションが、東京・竹芝で開催された。ランウェイには田口淳之介、西山茉希、明日花キララらがモデルとして参加した。
デザイナー・チャヌの誕生日である4月6日に行われた今回のショー。自身が1つ年を重ね、そしてブランドも13年目を迎える中で立ち返ったのは、“人との絆”という宝物だった。テーマとしたのは、“偶然に得る幸運”という意味の「僥倖」。コレクションでは、ブランドが歴史を刻んできた過程を冒険と喩え、“海賊”のモチーフを用いて仲間との絆を表現した。
まず目を引くのは、黄金のチェーンや錨、宝の地図といった“海賊”を象徴するモチーフの数々。チェーンの総柄プリントは、中に紙幣の柄を忍ばせることで「お金よりも絆が大事」というメッセージを込めているのがユニークだ。また、宝の地図のオリジナルプリントには、地名の代わりにチャヌの友人の名を刻んでいるのだそう。
“海賊っぽさ”を演出するブラックやゴールド、レッドといった強い色使いにも注目したい。時折差し込まれる穏やかなブルーは“海”をイメージしたカラーで、コレクションの豪華絢爛な雰囲気をクールに引き締めている。
今季はブランドの得意とするストリートテイストに、海軍を彷彿とさせるミリタリーの要素を融合させているのが印象的。フロントに多数のポケットを取り付けたMA-1がその好例で、レザーのブーツやベレー帽といった小物使いも相まって軍服風のルックに仕上がっている。
また、アクオド バイ チャヌの得意とするファスナーを駆使したデザインも散見された。重厚感のあるムートンコートやレザージャケットには、襟やスリーブ部分にシルバーのジップを走らせ、大胆に着崩してスタイリング。ファスナーでスリットを配したドレスは、中からインナーを覗かせることで遊びのあるレイヤードを楽しんでいる。