■そもそも、にしな さんは、いつ頃音楽に目覚めたのですか?
歌うことは、小さい時からずっと好きでした。幼稚園生の頃に、手遊びをしながら歌を披露したら、お母さんが喜んでくれて。それが音楽を好きになる原体験になっています。
■小さい頃から、歌手になるのが夢だったのでしょうか?
人前で歌うのが恥ずかしかったので、幼い頃は歌手になろうと思っていませんでした。憧れてはいたけれど、きっかけもないし、シャイで人にも言えないし。自分から、積極的に動き出せずにいたんですが、一緒に育ってきた友達は、やりたいことを楽しそうにやっているのに、自分はまだ何もできていない。そう思って、オーディションに応募しました。落ちても恥ずかしくないように、誰にも言わずに(笑)。
■初めて作った曲は、どんな曲だったのでしょうか?
「羊雲」という曲です。羊雲が出ると、次の日に雨が降るというのを知って、それをテーマに書きました。大枠は「恋をしている主人公が好きな人に手紙を書く」というストーリーなのですが、結局手紙を渡すことはできなくて、最終的に窓から破って捨ててしまう。それが空に舞う瞬間が羊雲みたいで、明日はきっと泣いてしまうんだろう…みたいな曲です。
■最初からレベルが高い。その時から、歌手になることを意識し始めたのでしょうか?
歌手になろうと決心したのは、もう少し後です。高校生の時は「きっかけを得た」ぐらいな感じで、現実味は全くありませんでした。「歌うのが楽しいな」「歌手になれたらいいな」という気持ちで音楽を続けていて、実際に歌手になろうと決めたのは、マネージャーさんと出会った時です。
■人前で歌うのが苦手だった学生時代から、表舞台で活躍するミュージシャンに。恥ずかしさ、という壁はどのように乗り越えたのでしょうか?
恥ずかしさよりも、「自分が生み出した作品を届けたい」という気持ちが強くなったんだと思います。曲を作る上で自分のことを赤裸々に綴ることもあるんですけど、小説を書くようなイメージで作っているので、恥ずかしいという気持ちはあまりなくて。「私の作品を知ってもらいたい」という思いで活動しています。
■にしな さんの作品は、“儚さと狂気”というキャッチフレーズで表現されることもありますね。
人の目を気にするわりには、最終的には言いたいことを言っちゃう、みたいなところが狂気さに反映されているのかもしれないです(笑) 自分のことを狂気的だと思ったことは無いのですが、悪気なく、我が強いのかもしれない(笑)もちろん、今でも恥ずかしがりやな面は残っているのですが…。
■今でも、シャイな一面があると。
はい。撮影の時に「私を見て!」という気持ちになれなかったり…(笑)。小さい頃も、写真撮影をする時に、お兄ちゃんの陰に隠れたり、全然笑わなかったり、頑固で可愛げの無い子供だったので、そういう部分は自分の中にまだ残っていますね。
シャイってネガティブなイメージがあると思うんですけど、自分のマイナスな感情、陰の部分をちゃんと描けるというのは、音楽活動をする上でプラスになることもあるんです。授業中に目立ちたくないと思っていた私だからこそ、作れる音楽があるのかな、とも思っています。
■デビューから1年が経ちました。自分の内面にあまり変化は無い、とのことですが、音楽活動に取り組む姿勢には、何か変化はあったのでしょうか?
すごくありました。デビュー当時は、にしな というものに対して“こうしなきゃいけない”とか、“こういう方が好かれるんじゃないか”ということを、すごく考えていました。でも、それに囚われすぎて、がんじがらめになって苦しかった。なんでこの道に進んだんだっけ…みたいな気持ちになった時期もあって。
そこから、いい意味で自分を自由にしてあげようと考えるようになりました。「にしな はこうだ!」って、私が私を決めつけないであげようと。今は、音楽を作る過程も、ライブ表現の仕方も、全部が自然体で、その時を楽しめたらいいなと思っています。
■作品のコンセプトがしっかりとある一方で、素顔のにしな さんは自然体。そのギャップが魅力ですね。
ありがとうございます(笑) 曲ごとの世界観というのは自分の中でしっかりあって、ライブのパフォーマンス中はその世界観を大切に見せるようにはするんですけど、曲の合間やファンのみなさんと交流するタイミングでは、あまり何も考えず自然に仲良くなりたいなって思っています。
■今後、ファンのみなさんに、どのような音楽を届けていきたいですか?
聴いてくれる人の日常に、そっと寄り添える音楽を作れたらいいなと思います。たとえば、ハッピーな気持ちになりたい時に聴くにしな の曲があったり、切ない時に聴きたいにしな の曲があったり。私自身にも、心の支えになっている曲がたくさんあるので、そんな曲を目指したいですね。
たとえば、落ち込んだ時や悩んだ時に聴くのは、玉置浩二さんの「しあわせのランプ」という曲。“幸せになるために生まれてきたのだから、好きなことをして生きていきなさい”という曲で、聴くと勇気づけられるんです。
■“好きなことをして生きなさい”というメッセージが、にしな さんの心の支えになっていると。
そうですね。好きなことをして生きること、どんな時もその瞬間を楽しむことは、私の人生のキーワードになっているかもしれません。
自分のお母さんを人生のロールモデルにしているんですが、母はどんな時もその瞬間を楽しんでいて。家族や周りの人を愛していて、そういう人たちにたくさん支えられて生きている。そんな生き方ができたら、どんな状況になって、どんな道を選んでも、幸せなんじゃないかなと思っています。
■では最後に、今後の夢や目標を聞かせてください。
まだ自分で足を運べていない地域に行って、ライブをしたいです。もっと色んなところに行って、色んな人に出会って、一緒に音楽を楽しめたらいいなと思います。
【作品情報】
■にしな 新曲「FRIDAY KIDS CHINA TOWN」
配信日:2022年4月20日(水)
■にしな 最新アルバム『1999』
CD発売日:2022年7月27日(水)
収録内容:全11曲収録予定
<発売形態>
・CD作品盤 3,300円
・CD作品盤+初ワンマンライブhatsu完全版BD 5,500円※1999枚限定生産作品
・CD作品盤+初回限定Tシャツ+特製フォトブック 8,800円※ワーナーミュージック・ストア限定発売
【衣装クレジット】
ジャケット 61,600円 ベルパー(BELPER)/Tシャツ 24,200円、ハーフパンツ25,300円 共にコトハヨコザワ(kotohayokozawa)/スニーカー 15,400円 ナイキ(NIKE)/リング 20,900円、ブレスレット 22,000円、チェーンリング 18,700円 全てテン(TEN.)/バングル 36,300円、ピアス 22,000円 共にパソ(Paso)/その他スタイリスト私物
問い合わせ先:ベルパー 03-6721-0566、アトモス新宿 03-6457-8755、テン 092-409-0373
【撮影協力】
Amazon Music Studio Tokyo