舞台『閃光ばなし』が、2022年9月26日(月)から10月2日(日)までロームシアター京都で、10月8日(土)から10月30日(日)まで東京建物ブリリアホールで上演される。関ジャニ∞の安田章大、黒木華らが出演し、脚本・演出は福原充則が務める。
福原充則によるオリジナル舞台『閃光ばなし』は、“不条理の中の正義”を模索し、権力に立ち向かう兄妹の姿を描いた物語だ。舞台は、終戦から18年が経った高度経済成長時代、昭和38年の東京 葛飾区 青砥。住民は、街を分断する巨大な用水路の存在に悩まされていた。
そんななか立ち上がったのが、川沿いで自転車屋を営む主人公・佐竹是政(安田章大)と、その妹・政子(黒木華)。兄妹はエンジンをつけた改造自転車や、それを元手に始めたバイクタクシー会社のサービスによって、交通の不便さを解消する。しかしそれは、巨大用水路建設に関わる権力者や、癒着する競合企業との対峙を意味した…。
主演は関ジャニ∞の安田章大。歌手や俳優として活躍する彼が、人間の欲望が良いようにも悪いようにも蔓延る「昭和」という時代のなかを、まっすぐに生きる主人公を演じる。ヒロインには黒木華が出演し、さらに片桐仁や桑原裕子、安藤聖らが脇を固める。
■佐竹是政(安田章大)
父親から継いだ小さな自転車を営む男。両親はすでに他界しており、妹は他の家に嫁いでいる。「前へ進んでないと倒れるから」という理由で二輪車全般を好む、まっすぐでひたむきな性格。貧乏でバイクは買えないが、自転車にエンジンをつけた改造車で町を走りまわる。
自分はもちろん、妹が嫁いだ先で貧乏していることを知り、新しい商売を思いつくが、そのことで権力との争いに巻き込まれていく。また、妹・政子に、自らも説明できないような愛情を感じている。
■佐竹政子(黒木華)
早くに両親を亡くし、兄の是政を父代わりに育った女性。荒川沿いの焼き肉屋に嫁ぐ。幼少期の苦労からか厭世的なところがあり、「最低限のパーツで構成された生き物になりたい」という理由で自転車に憧れている。
兄が町を巻き込んだ争いの当事者になるなか、大胆な行動で兄を助けるが、その根底には「世の中も私も、どうにでもなってしまえ」という考えがあり、決して兄妹愛からではなく、ましてや兄のような男と女としての感情からではない。
■柳英起(片桐仁)
政子の嫁いだ焼き肉屋の店主。小市民を代表するような男で、常に言うことのスケールが小さい。観客の笑いを誘うキャラクターながら、実は観客に一番近い人間として造形されている。優しい笑顔がトレードマーク。後半、政子の暴走についていけず、自分の器の小ささに苦悩する。
■底根八起子(桑原裕子)
商工組合・青高会会長の妻、未亡人。会長の死後 暫定的に会長職に就き、政治家・菊田を駒に地元で幅を利かせる。同時に、男尊女卑真っ盛りの時代に「分をわきまえていないと部下の男たちがついてこない」ことを懸念し、「バカな男に従っているふりをしてあげている」。一方で抜けたところも多々あり、随所で墓穴を掘る。
住民は大規模な立ち退きと十数年の工事を経て作られた巨大な用水路・新中川の“橋がかからない”問題に悩まされるが、それは底根八起子らの企み。目的地へ着くためにはバスに乗って用水路を大きく迂回せねばならない。その際に、癒着するバス会社・高砂交通の利用者が増えるという仕組みだった。
■白渡由乃(安藤 聖)
川向こうの由緒正しい大寺・深明寺の一人娘。是政の元彼女。結婚式当日に是政に逃げられた過去がある。恨みを晴らす機会を探っているが、それは「もう一度、惚れさせて結婚までこぎ着けた上で、今度は私が結婚式に行かない」という計画のため。普段は素敵な笑顔で是政につきまとっている。
■加古一郎(小林けんいち)
是政の自転車屋の整備士。父の代から店にいる無骨な男だが、是政のことは「ぼっちゃん」と親しみを込めて呼ぶ。スパナがあればなんでもでき、食事時も箸の代わりにスパナを使う。
■菊田甚八(みのすけ)
商工組合・青高会から送り込まれた、江戸川区の政治家。青砥から高砂周辺をとりまとめ、特に私バス会社・高砂交通の利益確保のために邁進する。
青高会をバックに強い発言力を持つ議員ながら、同時に青高会の不祥事の責任を負わされる駒でもある。本人もその自覚があり「最後は破滅。そこまでは突っ走る」という考えで行動しており、その「突っ走る」活力と「最後は破滅」の厭世観は、佐竹兄妹のどちらにも似ているといえる。
■野田中報労(佐藤B作)
バス会社・高砂交通の会長。私バス会社として生き残るため、賄賂を用いて都バスの参入を阻止し、一帯に大きな影響力を誇る。虚栄心を動機とした理屈の通らない行動で、周囲を翻弄する。近々開通されると噂の新幹線なる乗り物が気に入らず、高速バス網を全国に展開しようとしているが、未来を知っている観客からはすれば、近い将来夢破れる人物である。
脚本・演出は、連続ドラマ『あなたの番です』全20話の脚本や、舞台『旅と渓谷』等を務めた福原充則。本作は、2017年『俺節』、2019年『忘れてもらえないの歌』に続く、福原充則×安田章大がタッグを組んだ「昭和三部作」の完結作品となる。深い人間洞察を笑いのオブラートに包んで表現する福原充則が、どのようにして市井の人々を描くのか、期待が高まる。
舞台『閃光ばなし』
脚本・演出:福原充則
出演:安田章大、黒木 華、片桐仁、桑原裕子、安藤聖、小林けんいち、みのすけ、佐藤 B作、稲葉俊一、今國雅彦、加瀬澤拓未、久保貫太郎、熊野晋也、後東ようこ、高山のえみ、竹口龍茶、畑中実、葉丸あすか、石崎竜史、菊池夏野、田原靖子、永滝元太郎、長谷川仁愛、福山健介、古木将也、松永健資、松本一歩、優妃
チケット一般発売日:2022年8月21日(日)
■京都公演
公演期間:2022年9月26日(月)~10月2日(日)
会場:ロームシアター京都
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13
チケット料金:S席 12,000円、A席 9,800円(全席指定)
主催:サンライズプロモーション大阪
■東京公演
公演期間:10月8日(土)~10月30日(日)
会場:東京建物ブリリアホール
住所:東京都豊島区東池袋1-19-1
チケット料金:S席 12,000円、A席 9,800円(全席指定)
主催:キョードー東京 / TBS
【問い合わせ先】
■京都公演:キョードーインフォメーション
TEL: 0570-200-888(11:00~16:00 / 日祝休業)
■東京公演:キョードー東京
TEL:0570-550-799(平日 11:00~18:00 / 土日祝 10:00~18:00)