木村拓哉と綾瀬はるかが出演する映画『レジェンド&バタフライ(THE LEGEND & BUTTERFLY)』が、2023年1月27日(金)に公開される。
東映70周年を記念した映画『レジェンド&バタフライ』は、<織田信長と濃姫>が生きた激動の30余年を、総製作費20億円という圧巻のスケールで描く感動超大作。政略結婚という最悪の出会いから始まった二人は、いかにして真の夫婦となり、共に天下統一へと向かって行ったのか?日本最高峰のキャスト&スタッフが集結し、知られざる“夫婦愛”の物語を描き出す。
公開に先駆け、ファッションプレスでは信長役を演じた木村拓哉と、信長の妻・濃姫役を演じた綾瀬はるかにインタビューを実施。作品の魅力から、初の夫婦役を演じて分かった“お互いの新たな一面”、監督・大友啓史との撮影秘話まで、たっぷりと話を伺うことができた。
映画『レジェンド&バタフライ』は、激動の戦国時代を生き抜いた織田信長と濃姫の30余年の軌跡を描く感動超大作。東映70周年を記念するこのビックプロジェクトのオファーが来た時の、率直な感想をお聞かせください。
木村:一生に一度出会えるかどうかくらいの、伝説的なうねりが自分の前に現れた、そんな気持ちでした。待っていたうねりではあるけれど、目の前にするとあまりにも大きい。これに飲み込まれたら骨の1本や2本じゃ済まないだろうなと思いましたし、波に乗るか乗らないかのジャッジには勇気が必要でした。
綾瀬:私は、不安というより断然ワクワクしていましたね。台本を読んで、「やってみたい!」って素直に思いました。作品に参加するのが楽しみで仕方なかったです。
木村さんは、戦国時代の“英雄”・織田信長を演じています。誰もが知る歴史上の人物を演じてみて、いかがでしたか?
木村:「この先、信長を演じることはもうないだろう」と思うほど、本作で信長を演じることができたのは本当に特別な出来事でした。というのも、本能寺の変で亡くなった時の信長と、今の僕が、偶然にも同い年(※)なんです。
運命に導かれたようなタイミングですね…!
はい。これまでにも何度か信長役を演じてきましたが、同じ世代でタイムリーな瞬間を演じたのは今回が初めて。やっとそういう年齢になれたんだと感慨深い気持ちになるのと同時に、彼が生きられなかったこの先の時間を自分はしっかり生きていこうとも思いました。
信長役への特別な想いが感じられます。演じる上で心掛けたことはありますか?
僕にとって信長は、自分自身で誇示していなくても、みんなの気持ちが自然と集まっていくような人物。なので、その圧倒的な説得力や存在感を出せるよう意識していました。
一方、綾瀬さんは信長を支える妻・濃姫を演じています。濃姫は歴史上の記録が少ない人物だそうですが、どのようにして役作りを?
綾瀬:フィクションとして作品に深みを出せるよう、 監督と相談しながら自由に役を作っていきました。“信長に臆さぬ物言いで、時に彼を導く存在”というところから、男勝りで聡明で、精神力も高い人物だったんじゃないかな…?とか。姫だから、茶道や武術も一通り完璧にできそうだな…?とか。そんなふうに人物像を広げるうちに、気高くも奔放な濃姫のキャラクターが確立していきました。
木村さんと綾瀬さんは、今回が3度目の共演、初の夫婦役となります。現場ではお互いどんな印象を抱きましたか?
綾瀬:木村さんの現場の佇まいに強さを感じました。気持ちもアクションも、どんな風にぶつかっても絶対に受け止めてくれる感じがして、とても安心感がありましたね。
木村:僕も同じです。アクションの動きなんかも割と一緒に考えたんですが、僕がこれはどう?って提案すると、すぐに対応してくれる。本番でもきっちり決めてくれるので、安心して芝居に臨めました。
信頼関係が演技にも影響していたのですね。『レジェンド&バタフライ』を通して見えた、お互いの新たな一面もあるのではないでしょうか?
綾瀬:ありました。木村さん演じる信長は、やんちゃだった青年時代から、冷酷な“魔王”となる30代、そして晩年と、別人かのように人間が変わっていくのですが、その役の作り込みが凄いなと。表情がどんどん変わっていって、「あれ、なんかかっこいい!?」みたいな。
木村:「あれ!?」ってなんだよ。(笑)
綾瀬:最初は“うつけ者”だったでしょ。(笑)そこから、天下統一に向けて色んなものを背負って、心が無になっていって。佇まいや表情から、孤独感や切なさが伝わってくるんです。年を重ねるごとに醸し出される信長の人間的な深みに、魅力を感じました。
木村さんはいかがですか?
僕が綾瀬さんに対して思ったのは、夫婦という間柄を自然に感じさせてくれる人だなということです。1人で撮影するシーンも多かったですが、どんな場面でも思い描こうと思えばそこに濃姫をいさせることができた。それだけ綾瀬さんも僕もナチュラルに役に入り込んでたということですよね。夫婦役は初めてだったので新鮮でしたが、「正妻としていてくれたらこういう安心感のある人なんだ」って、妻を演じる綾瀬さんに新たな一面を見た気がします。
本作は、信長と濃姫の“夫婦愛”にフォーカスしている点がユニークだと思いますが、お2人が脚本を読んで最も心惹かれた部分はどこですか?
綾瀬:信長も濃姫も相手のことを大切に想っているのに、それをずっと言わないでいるところです。お互いの立場や性格、時代もあって、本当の気持ちを言い出せないところが不器用で愛おしい。相手を想う故に自分を律する美しさみたいな部分に、脚本を読んでいて涙が出ました。
木村:戦乱の時代、幾千という兵の命や民の命を背負う信長にとって、個人的な感情というのは押し殺さなくてはならないものだったのかなと思います。想いを伝えれば、それが相手への負担になってしまう。時代が許さない部分があったにせよ、切なくてもどかしいですよね。
でも、不器用でもどかしい2人だからこそ、より魅力的に思える気がします。
木村:その通りですね。まあでも、好きなのに意地を張り合って喧嘩ばかりしている信長と濃姫を外から見たら、この2人バレバレじゃんって思いますけど。(笑)