写真家・映画監督の蜷川実花とのコラボレーションによるカプセルコレクション「Eden(エデン)」を発表した、イタリアのラグジュアリーブランドエトロ(ETRO)。
エトロならではの鮮やかな色使い、クリエイティビティと蜷川独自のファンタジックな世界とが融合し、これまでのブランドの枠を超えたコラボレーションが実現した。バタフライ、カラーストーンなど蜷川の世界に欠かせないマテリアルとともに新しい魅力を放つ作品が、エトロのアイコン、ペイズリーをいっそう力強く、そして活き活きと表現。エトロのプリント技術により、バッグや小物、ショール、トートバッグをはじめ、ボストンバッグ、ポシェット、レザークラッチ、ナイロンバッグなどが誕生した。
アーティスト、蜷川実花とエトロの出会いとコラボレーションするまでのいきさつ、彼女の作品の魅力を、ブランドのアクセサリー&テキスタイル部門のクリエイティブディレクターであるヤコポ・エトロに聞くことができた。
蜷川実花さんとの出会いは?
何年も前のことです。6年前に東京で、「エトロ サーカス」と言うタイトルでイベントを行ったのですが、その時にたまたま隣の席に座ったのが彼女でした。素晴らしい人だなということはオーラですぐわかったのですが、最初は彼女がどういう職業のかは知らず、写真家であるのを知ったのは後のことです。
ショーの2日後に、蜷川実花さんの個展のオープニングがあって、そこにお招きいただき、初めて彼女の作品を観ました。
その時は、「花」をテーマにしていたのですが、それらの写真がとても素晴らしくて、今の日本を映し出しているなと感じました。それからというもの、日本に来るたびに一緒に食事に出かけたり、おしゃべりをしたりというように親交を深めていきました。
ある日は彼女の家にも招いてくださって。日本人ってあんまり自宅に人を招き入れることがないと思うのですが……。実際にかなり長いこと日本に来ていますが、日本人のお宅にお邪魔したのは、蜷川実花さんが初めてだったんですよ。
どのような流れでこれまでのコラボレーションが実現したのでしょうか。
6年前に出会って親交を深めるうちに、「いつか一緒に大きなコラボレーションをしよう」と言いたかったのですが、なかなか言い出せなくて。今回、やっと実現しました。コラボレーションをするに当たっては、エトロのペイズリーを彼女の視点で面白く発展させたものにしようという計画で。また、「楽しみながらしようね」という約束でやりました。
コラボレーションをするには、お互いのフィーリ ングが一致することが大事です。いくら有名な人でもフィーリングが合わない人とは、なかなか仕事がしづらいと思います。友達になって、それと同時に彼女の芸術作品も好きで。彼女自身も素晴らしい人なので、是非にと思っていました。友情を育む中で、自然と生まれてきたものです。