企画展「禅寺に伝わるものがたり」が、京都の相国寺承天閣美術館にて、2期にわたって開催。I期は2023年3月11日(土)から5月7日(日)まで、II期は5月28日(日)から7月16日(日)まで。
企画展「禅寺に伝わるものがたり」は、禅宗で祈りの対象となる神仏や、禅僧をはじめとする「人」に焦点に合わせた展覧会だ。I期「仏教説話と漢故事」では、禅僧の詩文や絵画、工芸から禅院にまつわる物語を紹介。一方、II期「女性と仏教」では、2023年に生誕800年を迎える臨済宗の尼層・無外如大(むがいにょだい)に着目し、女性と仏教の関わりに光をあてる。
仏教の教えには、数多くの先人の逸話が散りばめられており、それらは経典の中で文章化されている。さらに、経典に記された仏や菩薩、先人は、絵画にも描かれるようになった。また、寺院を荘厳する作品の意匠には、中国の故事に由来する画題が取り入れられた。
I期の「仏教説話と漢故事」では、仏教説話や中国の故事を好んだ禅僧による詩文や、寺院に伝わる絵画や工芸から、さまざまな物語を紹介。なかでも、相国寺を代表する法要「観音懺法(かんのんせんぼう)」でもかつては掛けられた《観音三十三変相図》三十三を一堂に展示する。
無外如大は、臨済宗において仏光国師・無学祖元(むがくそげん)の法を継いだ最初の尼とされている。1286年(弘安9年)、無外如大は「正脈庵(しょうみゃくあん)」を創庵しており、これが相国寺派寺院である眞如寺(しんにょじ)の始まりとなった。また、この眞如寺は16世紀より、宝鏡寺(ほうきょうじ)の門跡となった皇女たちの菩提寺となっている。
II期の「女性と仏教」では、眞如寺をはじめ、相国寺派寺院に伝来する寺宝を紹介。初公開となる《無学祖元頂相》や《無外如大頂相》のほか、出家した皇女ゆかりの品々を通して、無外如大の時代から近世に至る女性と仏教の関わりをたどってゆく。
企画展「禅寺に伝わるものがたり」
会期:
・I期 2023年3月11日(土)〜5月7日(日)
・II期 2023年5月28日(日)〜7月16日(日)
会場:相国寺承天閣美術館
住所:京都府京都市上京区今出川通烏丸東入ル
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
拝観料:一般 800円、65歳以上・大学生 600円、中学・高校生 300円、小学生 200円
※一般にかぎり20名以上は団体割引で各700円
【問い合わせ先】
相国寺承天閣美術館
TEL:075-241-0423