東京のパナソニック汐留美術館では、開館20周年記念展「ジョルジュ・ルオー ─ かたち、色、ハーモニー ─」を、2023年4月8日(土)から6月25日(日)まで開催する。
ジョルジュ・ルオーは、19世紀末から20世紀前半のフランスで活躍した画家だ。1871年に生まれたルオーは、ギュスターヴ・モローやポール・セザンヌの影響のもと、「形と色の調和」を追求。キリスト教主題の作品を数多く手がける一方、社会の底辺で生きる人びとにも光をあて、娼婦やサーカスなど、同時代の人間の内面に迫る作品も描いた。晩年には、厚塗りの表現と力強い色彩で人物像や風景画を制作している。
展覧会「ジョルジュ・ルオー ─ かたち、色、ハーモニー ─」は、パナソニック汐留美術館の開館記念展以来となる、ジョルジュ・ルオーの本格的な回顧展。パリのポンピドゥ・センターをはじめとする国内外の美術館より、日本初公開を含む代表作約70点を一堂に集め、ルオーによる「形と色の調和」の探求をたどってゆく。
ルオーは、自身の芸術を語るに際して、「かたち、色、ハーモニー」という言葉を繰り返し用いている。本展では、この言葉をキーワードに、ルオーの装飾的な造形の特色と影響関係を紹介。ルオーがパリ国立美術学校で指導を受けたモローや、その作品から深い感銘を受けたセザンヌなど、同時代の芸術家との関係に光をあてる。
ルオーは、生涯を通してサーカスと裁判官という主題に取り組み、装飾的な構図を探求している。また、晩年には、輝かしい色彩と重厚なマティエールが調和を奏でる油彩画を数多く手がけた。会場では、《プルチネルラ》や《二人組(二兄弟)》など、サーカスと裁判官を主題とする初期から晩年までの作品を展示するとともに、晩年の傑作《かわいい魔術使いの女》をはじめ、装飾的な構図の到達点というべき作品を展示する。
ルオーは、2つの世界大戦を経験している。大戦期には、戦争の残酷さや人間の苦悩を表現した作品を手がける一方、当時の著名な編集者テリアドが発行していた美術雑誌『ヴェルヴ』のために色彩感に富んだ作品も制作した。本展では、ルオーと世界大戦の関係にも着目し、日本初公開となる重要作品《ホモ・ホミニ・ルプス(人は人にとりて狼なり)》などを紹介する。
開館20周年記念展「ジョルジュ・ルオー ─ かたち、色、ハーモニー ─」
会期:2023年4月8日(土)~6月25日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4F
開館時間:10:00〜18:00
※5月12日(金)、6月2日(金)・23日(金)・24日(土)は20:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:水曜日(5月3日(水・祝)、6月21日(水)は開館)
入館料:一般 1,200円、65歳以上 1,100円、高校・大学生 700円、中学生以下 無料
※障がい者手帳の提示者および付添者1名までは入館無料
※5月18日(木)「国際博物館の日」は、500円で入館可
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)