特別展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」が、宮城県美術館にて、2023年3月26日(日)まで開催される。群馬などでも開催された巡回展だ。
佐藤忠良(さとう ちゅうりょう)は、戦後日本を代表する彫刻家のひとりだ。1912年宮城に生まれた佐藤は、1939年、舟越保武らとともに新制作派協会(現・新制作協会)彫刻部の設立に参加。第二次世界大戦に際してはシベリア抑留を経験し、復員後も一貫して具象彫刻を手がけた。また、絵本の出版にも携わっており、『おおきなかぶ』はその代表作として知られている。
特別展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」は、佐藤が手がけた3点の代表作、《群馬の人》、《帽子・夏》、そして『おおきなかぶ』に着目する展覧会。ブロンズや素描、絵本原画など約200点を展示するとともに、オーギュスト・ロダンやパブロ・ピカソなど、佐藤が収集した作品もあわせて紹介する。
1952年の《群馬の人》は、佐藤の活動初期における代表作。日本人の手によって初めて日本人の顔を表現したと高く評価される同作には、幼少期、シベリア抑留、そして戦後において、佐藤が出会った群馬の人びとに対するさまざまな思いが凝縮されている。
一方で佐藤は、戦前から絵本も数多く手がけている。なかでも、1962年に刊行された『おおきなかぶ』は、躍動感あふれる描写とリズミカルな場面展開により今なお親しまれる代表作。ロシア民話を題材とする同作は、シベリア抑留を経験し、ロシア現地の風景や人びとの生活を目の当たりにした佐藤にとってライフワークとなった。
特別展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」
会期:2023年2月4日(土)〜3月26日(日) 会期中の一部作品の展示替えあり
[前期 2月4日(土)〜26 日(日) / 後期 2月28日(火)〜3月26日(日)]
会場:宮城県美術館 本館 2階展示室
住所:仙台市青葉区川内元支倉34-1
開館時間:9:30〜17:00(発券は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、学生 1,000円(800円)、小学・中学・高校生 600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページなどを確認のこと)
【問い合わせ先】
宮城県美術館
TEL:022-221-2111