企画展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」が、神奈川県立近代美術館 葉山にて、2023年4月22日(土)から7月2日(日)まで開催される。群馬などでも開催された巡回展だ。

佐藤忠良、3つの代表作に着目

戦後の日本彫刻史に大きな足跡を残した彫刻家、佐藤忠良(さとう ちゅうりょう)。1912年に生まれた佐藤は、東京美術学校(現・東京藝術大学)で彫刻を学び、第二次世界大戦に際して従軍とシベリア抑留を経験。復員後は、新制作派協会(現・新制作協会)を拠点に一貫して具象彫刻を手がけた。また、絵本や挿絵でも活躍し、なかでも絵本『おおきなかぶ』は今なお読み継がれている。

企画展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」では、傑作として知られる彫刻《群馬の人》と《帽子・夏》、そしてベストセラーの絵本『おおきなかぶ』に着目しつつ、佐藤の創作を紹介する展覧会だ。

佐藤が追究した“人間の姿”

佐藤が一貫して目を向けてきたのが、人間の姿であった。1952年の《群馬の人》は、日本人の手で初めて日本人の顔を表現したと評される作品だ。一方、1972年の《帽子・夏》において佐藤は、身体と衣服の造形のバランスを追求し、独自の様式に到達している。本展では、社会における芸術の役割とは何か、そして人はなぜ人間の姿を作るのかを問い続けた佐藤の創作を探る。

佐藤が蒐集した西洋美術作品も紹介

また、会場では、佐藤が蒐集した西洋美術コレクションも紹介。フランス近代彫刻に魅了されて彫刻を志すようになった佐藤は、西洋の美術作品を蒐集し、その作品から創作のヒントを得てきた。本展では、彫刻家のオーギュスト・ロダンやマリノ・マリーニ、画家のエドガー・ ドガやパブロ・ピカソなどの作品を手がかりに、佐藤の創作の秘密にも光をあててゆく。

展覧会概要

企画展「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」
会期：2023年4月22日(土)〜7月2日(日)
［前期 4月22日(土)〜5月28日(日) / 後期 5月30日(火)〜7月2日(日)］
会場：神奈川県立近代美術館 葉山 展示室2・3・4
住所：神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
開館時間：9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日
観覧料：一般 1,200円、20歳未満・学生 1,050円、65歳以上 600円、高校生 100円
※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介助者原則1名は無料
※本展の観覧券で、同日にかぎりコレクション展「野崎道雄コレクション受贈記念 見えないもの、見たいこころ」を観覧可
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日：5月7日、6月4日、7月2日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上のぞく)で観覧可
※そのほかの割引については問い合わせのこと
※最新情報と来館に際しての注意事項については美術館ウェブサイトなどにて確認のこと

【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 葉山
TEL：046-875-2800(代表)