スペインの暗黒時代に生を受けた少女、オフェリア。優しかった父が死に、国には恐怖の政治下にあった。直面する現実は目を覆うようなことばかり。母は再婚し、新しい父親は独裁のシンボルのような恐ろしい大尉。生まれてくる自分の息子にしか興味を示さず、オフェリアの生きる世界は閉ざされていた。そんなある日、彼女が見つけたのは、うす暗い森の中の秘密の入り口。妖精の化身である虫たちに導かれて、”ラビリンス(迷宮)”の世界への冒険が始まる。
映画『パンズ・ラビリンス』は、ギレルモ・デル・トロが監督を務め、日本では2007年に公開された作品。閉ざされた世界を生きる少女の、迷宮の世界への冒険を描く独特なファンタジーだ。第79回アカデミー賞で撮影賞、美術賞、メイクアップ賞の3部門を獲得し話題を呼んだ映画だ。