この手に自由を、消せない愛を。
第二次世界大戦後のドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される。同房の殺人犯ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所から直接刑務所に送られたことを知る。反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく。
映画『大いなる自由』は、第二次大戦後のドイツで男性の同性愛を禁じていた「刑法175条」を背景に、「愛する自由」を求めて20余年にもわたり闘い続けた男を描く物語。1871年から1994年までの123年間施行されていた「刑法175条」はナチス時代に厳罰化された刑法で、処罰者は14万人にも及んだという。監督・脚本は、セバスティアン・マイゼ。各国映画祭で高く評価された長編デビュー作『Still Life』以来の劇映画となる。