映画『大いなる自由』が、2023年7月7日(金)より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開される。
映画『大いなる自由』は、第二次大戦後のドイツで男性の同性愛を禁じていた「刑法175条」を背景に、「愛する自由」を求めて20余年にもわたり闘い続けた男を描く物語。1871年から1994年までの123年間施行されていた「刑法175条」はナチス時代に厳罰化された刑法で、処罰者は14万人にも及んだという。
映画『大いなる自由』は、2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を受賞し、2022年アカデミー賞 国際長編映画賞オーストリア代表作品に選出されるなど“静かな衝撃作”として、高い評価を獲得。Bunkamuraは「見過ごされてはならない映画」だとして、初の全国配給を決めた。
終戦後の1945年、恋人と共に投獄された1957年、そして刑法改正が報じられた1968年と、3つの時代を行き来しながら、不条理な迫害の歴史の中で、愛と自由をあきらめずに追い求め続けた男の力強い姿を描く。
この手に自由を、消せない愛を。
第二次世界大戦後のドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される。同房の殺人犯ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所から直接刑務所に送られたことを知る。反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく。
主人公のハンスを演じたのは、俳優に加えダンサー・振付師としても活躍するフランツ・ロゴフスキ。ミヒャエル・ハネケ手がける『ハッピーエンド』やドイツ映画賞主演男優賞に輝いた『希望の灯り』 、現代ドイツ映画を代表するクリスティアン・ペッツォルトによる『水を抱く女』などに出演した次世代スターが、1945年・57年・68年と3つの時代を生きる主人公を演じ分けている。
また、ハンスに対し最初は反発しつつも次第に心を許していくヴィクトールは、ゲオルク・フリードリヒが演じている。刑務所という特殊な環境下で育まれる、ハンスとヴィクトールの唯一無二の関係性に注目だ。
ハンス…フランツ・ロゴフスキ
1945年にはナチスの強制収容所から刑務所に送られ、1957年には恋人オスカーと共に投獄される等、自身の性的指向を理由に繰り返し投獄されている。非人道的な法に踏み躙られながらも愛を諦めず、何度も懲罰房に入れられてしまう。
ヴィクトール…ゲオルク・フリードリヒ
ハンスと同房に投獄された殺人犯。長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知している。最初はハンスを嫌悪していたが、次第にハンスに対して心を解いていく。
レオ…アントン・フォン・ルケ
オスカー…トーマス・プレン
監督・脚本は、セバスティアン・マイゼ。各国映画祭で高く評価された長編デビュー作『Still Life』以来の劇映画となる。撮影監督は、クリステル・フルニエ。『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマが『トムボーイ』 や『ガールフッド』などでクリステル・フルニエとタッグを組んだのも記憶に新しい。
【作品詳細】
映画『大いなる自由』
公開日:2023年7月7日(金)
監督・脚本:セバスティアン・マイゼ
出演:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルク・フリードリヒ、トーマス・プレン、アントン・フォン・ルケ
共同脚本:トーマス・ライダー
撮影監督:クリステル・フルニエ
編集:ジョアナ・スクリンツィ
音楽:ニルス・ペッター・モルヴェル、ペーター・ブロッツマン
配給:Bunkamura
2021年/オーストリア、ドイツ/116分 /1:1.85/カラー/原題:Große Freiheit /英題:Great Freedom