月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗は、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気がなさそうに見える同僚・山添孝俊のある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。自己嫌悪に陥る美紗だったが、実は山添がパニック障害を患い、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っていることを知る。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる――。
瀬尾まいこによる小説『夜明けのすべて』を、松村北斗、上白石萌音W主演で映画化。原作小説は瀬尾まいこ自身のパニック障害の経験をモチーフにしつつ、人には理解されにくい症状を抱え、生きづらさを感じながら生きる山添と美紗の物語を優しく綴った作品で、ロングセラーとして人気を集めた作品だ。松村北斗、上白石萌音は、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」での共演を経て、再共演となる。