重い病に侵されたマーサは、かつての親友イングリッドと再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいないー」と言い、最期の時を迎える彼女との短い数日間が始まるのだった。
映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』は、ペドロ・アルモドバルが監督を務めた、初の長編英語作品。病に侵され安楽死を望む女性と彼女に寄り添う親友の最期の数日間をペドロ・アルモドバルならではのカラフルな世界観で描く。第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。