スペイン・カタルーニャで、三世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとした時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られてしまう。なんと桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされる。賭け事に懸けようとする祖父、資金稼ぎに畑の片隅で大麻栽培を始める長男など、バラバラに桃園の危機を何とかしようとするなか、大げんかが勃発。一家に大きな亀裂が入ったまま最後の桃の収穫が始まろうとしていた…。
『太陽と桃の歌』は、第72回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最高賞)を受賞したカルラ・シモン監督の作品。カルラ・シモン監督は長編監督デビュー作『悲しみに、こんにちは』がベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞。2作目での金熊賞受賞となった。変わりゆく世界のしくみと、変わらない家族の絆の物語を描く。